プレゼントされた「双頭の龍」で
ここのところの圭太との順調な付き合いの影響で、肉体的には充足していた涼子だったが、カウンターに立って検品された薬を患者に渡していく日々のなかで「モノ足りなさ」も感じていた。
圭太は身の丈以上の容姿と薬学部出身という経歴に押され気味で、涼子の要望をある程度は応えてくれていたのだ。
例えば、「たまには遠出したいわね」と言うと、彼女の欲しがっていたイタリアの名車のフィアット・アバルトを無理してでもローンを組んで買ってみたり、といった具合にだ。
そのイタリア車を駆って、伊豆半島を1泊で周った晩には、圭太はあまりの嬉しさに狂気さえもしたのである。
月2のデートでは、回数的に不満のようであったが、だからこそ会った日には勃ちまくっていたのである。
加えて、涼子の乳首とクリを同時に責めると、
と乱れるのを覚えたので、ちょっとだけ征服心も満たされたりしていたのだ。“恋人感”も生まれたりしていたようだった。
このような交際(接)具合を続けて半年。
特に圭太の身辺状況や職場状況に問題が無ければ、「結婚かなぁ」と、思わない事もない涼子なのであった。
もちろん、圭太の方は結婚には“ノリノリ”で、涼子と家庭を持てば「逆玉」になるとは夢にも思っていなくても、結婚する気はマンマンだったのである。
強いて問題を挙げるとすれば、デートの頻度が少ない事。学生時代からモテた経験がないので分からないが、月に2回のデートではザーメンが下半身に溜まってくるのを抑えきれない状況も感じていたのだ。
一方の涼子といえば、“真剣交際モード”でのデートに満足しつつも、摘まみ喰いをシたくなる周期に突入しようとしていた。
もともとの面倒くさがりな性格からマッチングアプリで婚活しているくらいなので、デルタの辺りがムズムズしてくれば、圭太ではない“違うオトコ”を賞味したくなるのが自然な流れなのだ。
その日は、仕事を終えてひとり暮しの自宅の書斎でPCを開きながら、ついつい独り言を呟いたのだった。
「出会い系」はサイトとして発展してきて、規制を乗り越えながら優良な老舗のみ生存しているのが現況である。
アプリも併用できるのだが、歴史的にPCで隆盛を得るようになったので、未だに「~サイト」という名称が一般的だ。
涼子はアプリとサイトを同期させて使っているので、外出先でも利用は可能だった。
なので、くつろいだ気分で「お相手探し」をする時は、PCからと決めていたのである。
蛇足ながら、後発のマッチングアプリとは違って出会い系は、あくまで“男女の性欲”がストレートに解消できるツールだといえる。
建前上は、“あくまできっかけを与える場”なのだが、何のきっかけなのかは言わずもがなだ。
そうやって、その晩は「出会い系」をクルージングして都合よく遊べる相手がいないかをウォッチしていたのである。
涼子はいまのところは、圭太とは「彼氏・彼女の仲」と言っても差し障りがないので、ソレとは違った弱M性のある男が獲物だった。
それもこれも、圭太ですっかり「リードするセックス」「焦らすセックス」にハマっていたからに他ならない。
涼子は、利用していた累計会員数が1500万人超の老舗の出会い系サイトで、男性会員のメッセージに目を通していた。
そこの【東京エリア】の中で年齢が涼子よりも±5歳、さらにカテゴリーを「セフレ」「既婚者可」で検索していたのである。
そうしたうえで、自己PR欄に「経験数少ない」というワードがあれば検索に引っかかるようにしていたのだ。
そうした手順を踏まえて、俎上に上がってきた男性会員のプロフを念入りにチェックしていたのである。
出会い系では大きく「アダルト」(エッチ方面を目的とする)と「ピュア」(純粋に異性の友人や趣味友募集。
そこから派生して、恋人関係を希望するムキ多し)にカテゴリーが分かれる。
プロフ画像は参考程度だが、“危なげ”だったり不潔感が感じられるオトコはNGだ。
あくまで涼子の勘だが。
そうした中で、涼子のレーダーに引っかかってきたのがコージ(仮名/29歳・独身・会社員)だった。その男性会員の自己PRには、
見た目は“それなり”なんですけど、どうにもモテたためしが無くて困っています。メールから始めて、いずれは会える女性が希望です
と、書かれていた。
画像も“可もなく不可もなく”という感じだった。
多分、「押しが弱い」とか「引っ込み思案なのだろうと涼子は分析した。
少なくとも彼氏にする気は毛頭なかったが、圭太よりもさらに「リードして」遊べそうなのでさっそく、返信したのだった。
一応、相手を立てる意も込めて、
『オレがオレが』とマウントを取ってくる男性は苦手です。普通の薬剤師ですが、それでも良ければレスください。ちなみに趣味はダイビングです
と、送っておいたのだった。
今回は、もしアポまでこじつけたら試したい事もあったので、返信を待つ間もワクワクしていたのだ。
そうして翌日の昼休憩にサイトを開いてみると、計算通りにコージからのメールが届いていたのである。
出会い系にハマっている女友だちに聞いてみたところ、女性が掲示板にメッセージを残すと三桁のメールが来る場合もあるが、男性側は一桁なんていう事もあるとの事だった。
やり取りの中でコージに尋ねると、「今回は冬子さん(←涼子のHN)を含めて11通の返事が来た」と記していたのだ。
やはり、出会い系も“女性優位”らしい。
コージは忙しさと、気弱な性格もあって、この1年はセックス無しらしい。
なので、数通のサイト内メールのやり取りのあとに、「そろそろ会わない?」と涼子が誘うと二つ返事で乗ってきて「アポ成立」だった。
所詮、長続きさせるつもりはないしダラメする気もさらさらないので、出会い系では「ビッチ」「ヤリマン」と思われようが何てことはなかったのだ。
とにかくセックスをしてみる。これが涼子にとっての出会い系だったのである。
コージが休日で、涼子の勤務が緩やかな土曜日の夕方に、ふたりはターミナル駅のロータリーで待ち合わせた。
お互いの中間地点に近かったのと、涼子にとっては「知った顔」がいないので便利だったのである。
当然、素性を隠すために「乗り換えが便利だから」としか言わないが、詮索しあわないのがデートの条件だったので、その点はクリアだ。
“引っ込み思案”と言っていたが、最低限の女性に対するトークは心得ているようだったので、涼子は安心半分・不満半分だ。
もっとモジモジしていれば、「ベッド上で好き勝手できるのに」と思ったのである。
そのコージは、
画像では見た顔だけど対面では初顔合わせなので、お茶でも飲みますか?一応、アルコールでも大丈夫なようにクルマは置いてきました
と誘ってきた。
涼子は、初めての男のクルマに乗る勇気がなかったので、
コージにしても「ヤリモク度は30%はある」と、メールの段階から意思表示していたので“飲み→興が乗ってラブホ”という面倒な図式ではないのが涼子には手っ取り早くて良かったのである。
“遊びなのだから、話しは早い方がいい”と、コージは芳しくない出会い系の成績の中にいても、思っているらしい点が見られたのだ。
それには涼子も同意だった。
彼女は無駄を回避するひとつの方位としてサイト内で話し込んでからアポへ。
という、一般女性なら当たり前の警戒心と配慮と「女の勘」で、即アポは避けていたのだ。
近所では会わないので、ある程度の距離と時間をかけた場所をアポ地点にするので、“落ち合ってから、さらにクルマ移動”の時間が勿体なかったのである。
コージは“危なそう”という涼子のセンサーが働かなかったので「良し!」となったのだ。
カフェでお茶といっても、世間話し・身の上話し程度はメールで済ませてあったから、涼子が「大人の二次会よ」と席を立つと、伝票を持ったコージが慌ててあとを追ってきたのだった。
で、駅前繁華街の裏手のあるラブホに入ったふたりは。キスをすると自分の服は自分で脱ぐ“セルフ全裸”へ。
その段階からコージのいきり立ったペニスが涼子の腹部をゴツゴツと叩きながら、キスはますます深くなっていったのである。
抑えた声で涼子がコージに囁くと、そのまま無言でシャワールームに消えたのだった。
コージがシャワーで入念に硬くなって包皮が伸びきったペニスを扱きながら洗っている頃、涼子は両端が挿入可能な「双頭のディルド」をバッグから出して、フェイスタオルでその「龍」の存在を隠しているのだった。
その大人のオモチャは、以前、出会い系で「お姉さまに苛めてもらいたい…」と出会い系の男性側メッセージに入っていたビアンのJDと楽しんで、そのまま記念に頂いてきた品だった。
普通の張り型の両端がマンコに挿入できるというモノ。主に同性愛女性がよく使う優れツールである。
その普通のディルドの根元の部分を、JDは綺麗にヤスリをかけて自分でカスタマイズしてあったのだ。
いわば、「ワン・オフ」である。
もちろん、何層にも消毒を塗ってある。
と、顔を赤らめながら呟く姿はプレイとは真逆で“乙女チック”でさえあったのだ。
専門のSMサイトやビアン向けのサイトは違って「ハードではないだろう」と高をくくっていた涼子だったが、それまでの常識を外れた快感に久しぶりに膣が震えたのを鮮明に覚えている。
てっきりキスをして、乳首を擦り合い、ネコだと言っていたJDのマンコを愛撫すればいいだろうと思っていたのだが……。
その双頭のディルドをお互いの膣内に入れ込んで、腰をくねらせながら体全体を密着させているうちに、
と叫び、ふたりで同時にイってしまったのである。
JDはディルドを挟んでいる間中、
を連発して、両腿で涼子の細いウエストを締め付けていた。そうしながら、内部から淫液を溢れ出させており、感度は涼子以上だった。
そうして朝までふたりはアクロバティックな体位で愛し合い、クリが壊れそうになりながら感じていたのである。
その時の「双頭の龍」を、いよいよ今夜は男性に使おうというわけである。
別に涼子の性癖としては、「S性」は無いと自覚しているのだが軽い“悪戯”程度は「アリ」とみなしていた。
別に道具を用いるわけではないが、マッチングアプリで知り合った圭太に対するように「精神的に優位に立って弄ぶ」欲望は変えようがないのである。
それは、大学時代に言い寄ってきた担当教授に、「研究室は密室だから、言う通りにしなさい」と迫られながらも、逆に室内に転がっていたクスコ膣鏡で迎撃してやった時から変わらないのだった。
今も、涼子がシャワーを浴びて部屋に出てきたところで、ガマンできずに無理矢理ベッド上でコージはナメナメをはじめていた。そのコージは、「こんな美人と出会い系でできるなんて!」とペニスを直立させている。
俯瞰で見ると間抜けな行為かも知れないが、「セックス中はそんなモノかも」と冷めた心が半分、自分も興奮してきたと自覚半分の涼子はさっき用意したディルドを取り出したのだ。
そして、
と、笑顔のままコージをうつ伏せにして、
と膝立ちにさせたのである。
コージは「?」と訳の分からないまま尻を突き出すと大量のワセリンを塗られたのである。
そこに片側を股間に挟んで「あ~」と吐息を漏らしている涼子が、もう一方のディルドの先端をコージのアナルの入口に当てがってきたのだ。
そう言うコージを放っておいたまま、涼子はディルドの位置を自分で調整していた。
自分の方には、クリが上下に擦られるようにだ。
涼子はディルドの一端をマンコに挟みながら片手を添えて、コージのアナルの入口付近のみを、もう一端で刺激していく。
同時に、空いている片手をコージの股間の前に廻し込みながら茎からカリを中心にシゴキ続けていたのだ。
この責めは効いているらしく、「うぅ〇△」と、言葉にならない声を発して悶えている。
精子を放出しても、そのままシゴキ続けると勃起が止まずに、“また中空に放射”。パターンとしては、「潮吹き」をコージに施していたのだった。
そう挑発しながらも、自身ももよおしてきた涼子は「双頭の龍」を抜いて仰向けにしたコージに跨ったのだった。
今度は肉ヒダの熱い感覚に身悶えしつつ、またしても(今度はコンドーム内に)発射したコージだった。
と、肩で息をしながら訪ねてきたコージに涼子は、
滅多にシないわ。元気そうなチンチンの持ち主に、たまにする程度よ
今回は先にシャールームに消えたは涼子は、体とディルドを洗ったのだった。
理由はわからないが、あのJDとしか「オールは無理」な体だと、涼子は自覚していた。
コージにしても、まぁまぁ良かったが、股間内部からうねるように登っていくマグマの逆流を感じる事はなかったのだ。