便利な“遊び道具”が無くならないうちに…
涼子は予感として、なんとなく「圭太と結婚するんじゃないか」と他人事のように思っていた。
扱いやすいし、浮気はしなさそうだし。
ただ、亭主を持ったらマッチングアプリは止めるつもりではいたのである。
婚活目的で対峙されても困るし重い。そういうのは圭太で充分だったからだ。
遊ぶのなら、やはり「出会い系」派だ。
法改正や何やかやで「出会い系」が無くなるまでは、しばらく利用するつもりだった。
真逆をいえば、「真剣交際」ならマッチングアプリに“分がある”という事か。
どちらにせよ、ツールを使った「出会い」は面白いと涼子は感じ、今日もスマホを握りしめ出社した。
官能小説『双頭の玩具を持つ女』完。