HSPの原因は先天性?後天性?HSPの脳内で起こっている事を徹底解説

最近、YouTubeやTVで「HSP」を取り上げられる機会が増えてきて、本屋でもHSP関連の書籍が目立つところに置いてあるのをよく見かけます。

何度か耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

しかし、そのHSPの原因や症状についてまで、詳しいところまでは知らないという人も少なくないと思います。今回はその原因や症状について詳しく解説していきます。

HSPとは何か?

HSPは徐々に世間への認識度が高まってきていますが、「HSP」という単語だけが先行してしまい、その意味をよく知らず、間違った認識をされていることも多いのが現状です。

HSPは「病気や疾患」という誤解をしてしまう人も多数いますが、HSPは病気や疾患ではありませんので、病院に通い治療しなければならないものでもありません。以下では、まずHSPの概要についてまとめました。

生まれながらに感受性が強く繊細で、敏感である

HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、「敏感すぎる人」や「非常に繊細な人」という意味です。1991年にアメリカのエレイン・アーロン博士によって名付けられました。

HSPは病気ではなく、高度な感覚処理感受性を持つ「人の気質」を表す名称です。HSPの人は、生まれながらにして感受性が鋭く、敏感であるがゆえに職場や家庭など生活の中で気疲れしやすく、生きづらいと感じている方も多くいます

また、必要以上に空気を読みすぎたり、自分自身がまわりの人から浮いているような感覚になることもあります。

5人に1人はHSP

HSPは人種や国に偏ったものではなく、どの社会でも全人口の15~20%の割合で存在するので、5人に1人はHSPということになります。そしてこの特性は人間に限らず、100以上の種に存在することが生物学者によって発見されていて、その種類はハエから鳥・魚・犬・猫・馬そして霊長類にまで及んでいます。

これはこの特性が、「行動を起こす前に注意深くなる」という、生物としての生き残り戦略であることを示しています。とはいうものの、非HSPの人の割合は80%ほどになり、HSPは少数派に属する為、認知度が上がってきているとはいえ、まだまだ世間には理解されにくいというのが現状です。

HSPの過敏さ、感じやすさは変えることができない

HSPは、人の「性格」とは違い、生まれ持った人の「気質」なので、生涯変わりません。

「性格」は、遺伝による影響や、先天的な要素ももちろんありますが、環境や出会った人々との関わりなど、様々な後天的条件に影響を受けて変わる場合もあります。

一方、「気質」はその人が生まれつき持っている性質なので、後天的に変えることはできません。同じように、HSPの過敏さ、繊細さは変えることができませんが、HSPは決して病気ではないので、努力して改善したり、直さなければならない弱点ではありません。

HSPの特徴・長所については以下の記事でもご紹介しています▼

HSPの原因とは

HSPは病気ではなく、生まれ持った人の気質であるということを解説してきましたが、その原因はどこにあるのでしょうか。実は、HSPの人と非HSPの人の違いは、脳の性質にあります。

HSPの人と非HSPの人とでは、受けた刺激に対する脳の反応や、情報処理の深さが異なるのです。ではここからは、HSPの原因を脳内物質とともに具体的に解説していきます。

恐怖を感じる脳の「扁桃体」の働きが強い

扁桃体(へんとうたい)とは、脳の側頭葉内側の奥にある神経細胞の集まりです。大脳辺縁系の一部であると考えられていて、ストレス反応(特に不安や緊張、恐怖反応)について重要な役割を果たしています。

HSPの人は、非HSPの人と比べて、この扁桃体の働きが強いため、不安や恐怖を感じやすく、過度に心配したり、人に気を使ったりしやすくなります。

ストレスホルモンが多く分泌され、疲れや不安を引き起こしやすい

ハーバード大学の心理学者ジェローム・ケイガン教授の研究によると、HSPの人は非HSPの人と比べ、脳内物質である「ノルアドレナリン」と「コルチゾール」の分泌量が多いということもわかっています。

この2つはストレスを受けた時に分泌が増えることから「ストレスホルモン」とも呼ばれていて、これがHSPの人の神経の疲れや不安などを引き起こしすくしている原因と考えられています。

  • ノルアドレナリン

激しい感情や強い肉体作業などで、人体がストレスを感じたときに放出されるホルモン物質

  • コルチゾール

何かに警戒しているときに分泌されるホルモン物質。2つとも、強いストレスなどの影響で、働きがアンバランスになると、神経症やパニック障害、うつ病などを引き起こすと言われています。

これらの脳の働きによって、HSPは敏感さや疲れやすさ、自責を持ちやすいという特徴を持っています。

HSPの症状とは

これまで、HSPの人と非HSPの人とでは、受けた刺激に対する脳の反応や、情報処理の深さが違うということを扁桃体の働きや脳内物質とともに解説してきました。

これによってHSPの人は刺激に過剰に反応してしまったり、他の人より敏感になってしまいます。HSPの人にはどういった症状が現れるのか、以下で具体的に挙げていきます。

心身ともに疲れやすい

HSPの人は、光、音、におい、味覚、イメージ、特定の物質など五感で受ける刺激に対して過度に反応する傾向があります。どの感覚が敏感であるかは人それぞれで、非HSPに比べて100~1000倍の情報量という心療内科医もいます。

刺激に対する反応が強いので常に神経を使うことになり、無意識の内にエネルギーを消耗し、疲れやすい傾向があります。

  • 人混みや大きな音に強いストレスを感じてしまう
  • 映画や音楽、本などの芸術作品に感動して涙を流すことが多い
  • 世間的には些細なことでも、過剰にビクビクしたり、すぐに驚いてしまう
  • カフェインや添加物に敏感に反応してしまう
  • 人の些細な言葉に傷つき、いつまでも忘れられない
  • 人と過ごしたあと、帰宅して一人になった時に一気に疲労感がくる。

具体的には以上の症状が出やすいとされています。

自尊心、自己肯定感が低い

社会の大多数である80%は非HSPであるため、少数派であるHSPの人は自分の価値に懐疑的になり、自尊心や自己肯定感が低くなる傾向があります。

HSPは単なる人の生まれ持った気質です。しかし他の人にはなかなか理解を得られず否定的に扱われることもあり、それがHSPの人の自尊心を低くしてしまいます

加えて、HSPの人は繊細で優しいため、人を責めたり、怒ったりするのが苦手です。人に嫌なことを言われたり、理不尽なことをされてもある程度は我慢してしまうので、イジメや暴力、悪口や仲間外れの標的にされやすくなってしまいます。

そのため自分の価値を低く感じてしまい、自信を喪失し、自己肯定感も低くなってしまいます。

対人緊張が強く、環境や他人の影響を受けやすい

HSPの人は、脳内で「共感能力」を司っているミラーニューロンという神経細胞の働きが活発であることがわかっています。HSPの人の共感性が高いのは、このミラーニューロンの働きが大きいためだと考えられています。

このため、HSPの人はその場にいる相手の気持ちに同調して「自分のこと」のように感じてしまうところがあります。人の相談に乗っているうちに、相手と同じように自分も辛くなって落ち込んでしまったり、相手の感情や体調をまるで自分のことのように体感してしまうのです。

更に、HSPの人は良心的で人に合わせることが多く自己主張が控えめな為、他人から精神的な支配や悪意の影響も受けやすくなってしまいます。具体的には、下記のような症状が見られます。

  • 相手を気にしすぎて、自分の本心をうまく表現できない
  • 自分の意見は抑えて相手に合わせてしまう
  • 体調のすぐれない人のそばにいると自分も不調になってしまう
  • 恋愛においても相手に強く影響されやすく、依存しやすい

HSPは病気ではなく性質!特性を理解して過ごしやすい生活を!

HSPの人は生まれながらにして、刺激に対する脳の反応が他の人とは違うことを今回解説してきました。HSPの存在や原因が分かると、今まで抱えてきた生きづらさの理由もはっきりし、どこか心のモヤモヤが晴れ、少しホッとしたような気持ちになる方も少なくないのではないでしょうか。

その特性をしっかりと理解することで、HSPとうまく付き合っていくことが出来るでしょ

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