女性ホルモン『エストロゲン』って何?エストロゲンの基礎知識や効果を解説

エストロゲンは女性らしさを保つために必要だ!健康問題にも関わっている!

などなど、聞いたことはあるけど、エストロゲンってなに?どんな健康問題に関わるの?エストロゲンにいいのはなに?という疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

この記事では、エストロゲンとは何か健康問題への関与について紹介していきます。

女性ホルモンとは?

年齢とともに変化してゆく女性のからだですが、それに重要な役割を果たしているのが女性ホルモンです。いわゆる女性ホルモンには、卵胞から分泌されるエストロゲンと黄体から分泌されるプロゲステロンの2つが存在します。

2つの中でもエストロゲンは特にからだの変化や女性らしさ、そして健康維持にも重要な役割を持つホルモンと言えるでしょう。

エストロゲンと月経周期の関係はこちらでも紹介しています▼

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エストロゲンの種類

女性ホルモンであるエストロゲンですが、実はエストロゲンという名称は総称で、エストロン(E1)エストラジオール(E2)エストリオール(E3)という3つの種類が存在します。

エストロン(E1)

更年期以降の主要エストロゲンです。しかし、活性が非常に低いのが特徴で、その活性の低さから生理的意義が不明とも言われています。その多くが脂肪組織で産生されることから、脂肪が多いほどエストロンが多いという特徴もあります。

エストラジオール(E2)

一般的にエストロゲンと言われているのはこの中のエストラジオールで、最も強力な作用を持っています。

そしてこのエストラジオールこそ性成熟期の主要エストロゲンであり、約60%を占めます。更年期を迎え、このエストラジオールが低下することで様々な疾患のリスクが高まります。

エストリオール(E3)

妊娠中に胎児副腎と胎盤で合成・分泌され、最終的に母体の尿中から排泄されます。この特性から、尿中エストリオールを測定することが胎児-胎盤の機能評価方法の一つに用いられています。

例えば子宮内で胎児が死亡した場合、母体の尿中エストリオールは直ちに低下してしまうのです。今では他の機能評価方法の進歩により、使われる頻度こそ減りましたが有用な方法であることに変わりありません。

エストロゲンのその他の作用

エストロゲンは肌質、髪質を改善したり、乳房や子宮の発育、そして月経や妊娠に関わるなど女性のからだに非常に重要な役割を果たしていますが、それ以外にも健康維持に重要な役割を果たしているのです。ここではエストロゲンにある健康維持の機能についてご紹介します。

動脈硬化予防

エストロゲンは血中LDLを低下させる作用血管を拡張させる作用も持っています。それらの作用により動脈硬化を予防することができます。更年期前では、このエストロゲンの作用により女性の方が男性よりも動脈硬化になりにくく、動脈疾患のリスクが低いのです。

しかし、更年期以降はエストロゲンの低下により血中LDLが増加しやすくなることで、動脈硬化になりやすくなり、動脈疾患のリスクが上昇します。

例えば心筋梗塞ですが、男性の平均発症年齢が65歳なのに対し、女性は75歳と遅いです。 これは、エストロゲンにより動脈の健康が保たれていたことも要因となっているのです。

破骨細胞抑制

人の体は骨を分解、吸収する「骨吸収」と骨を形成する「骨形成」のバランスにより保たれています。エストロゲンは骨吸収を担う破骨細胞を抑制する作用があります。

そのため、エストロゲンの欠乏により破骨細胞が活性化し、骨吸収>骨形成となりバランスが崩れることで骨粗しょう症のリスクが上昇します。高齢女性で骨粗しょう症のリスクが高いのはこのためです。

エストロゲンをコントロール

エストロゲンの低下に対して対策を取る事は可能です。しかしそれは増やすというよりも、バランスを整える、低下しないようにコントロールをするというイメージです。

ここではエストロゲンの低下を防ぐために行なっておきたいこと、近年注目されている大豆イソフラボンの作用についてみていきましょう。

生活習慣の改善

何よりも大切なのは健康です。ありきたりなことかもしれませんが、エストロゲンについても健康な生活を送ることがいちばん大切なのです。バランスの悪い食事や、睡眠不足、運動不足などは健康問題に影響し、そしてホルモンバランスに悪影響を与えます。

健康のために、バランスの良い食事を摂り、規則的な睡眠をし、時には身体を動かす。これがエストロゲン低下に対する最も有効な対策なのです。

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは、その構造がエストロゲンに似ていることから、女性のからだに有用であると期待されてきました。

最近の研究で明らかになったのは、大豆イソフラボンが腸内細菌により変換されてできるエクオールという物質がよりエストロゲンに似た作用を示すということです。

全ての女性がエクオールを産生する腸内細菌を持っているわけではなく、日本人では約半数ほどと言われています。

しかし、この腸内細菌は大豆食品を好む人の方が持っている割合が高いとも言われているので、やはり大豆を積極的に摂取することは有効な手段かもしれません。

そして最近エクオールのサプリメントも登場しました。大豆イソフラボンをエクオールへ変換する乳酸菌を用いてエクオールを産生し、それを直接摂取すれば腸内環境によらず、その恩恵を受けられるということです。

エストロゲンをうまく活性化させて健康的な体へ!

エストロゲンにも種類があること。エストロゲンの健康維持作用。エストロゲンのためにどうしたらいいのか。なんとなく聞いたことはあってもよく知らない方が多かったのではないでしょうか?

エストロゲンは女性の健康に大きく貢献していますが、そのエストロゲンの低下を防ぐようにするためにも健康的な生活習慣は不可欠です。この正のスパイラルで、心も身体も健康になっていきましょう!

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