妊娠は何歳まで可能なのか?高齢出産・妊娠のリスクはどれくらい?

現代社会では女性進出などの影響から、晩婚化が進み、高齢化妊娠が増加しています。また、晩婚であっても子供を望む夫婦が多くなっています。

この記事では、実際のところ、高齢妊娠ってどのくらいリスクがあるのか?また、現実問題として、女性は何歳まで妊娠が可能であるかを解説していきます。

なぜ近年は、初産年齢が高齢化しているのか?

我が国の現代の妊娠は、以前に比べて、初産の平均年齢がどんどん高くなっています。2012年にはついに、初産を迎える人の平均年齢が30歳を超えました。

内閣府の平成28年版少子化社会対策白書によると、第一子の出産時の平均年齢は30.6歳第二子の出産時の平均年齢は32.4歳第三子の出産時の平均年齢は33.4歳となっています。

以前は20代で初産を迎える妊婦さんが大多数であったのが、日本の社会背景の変化からこのような状況が生まれています。

では、なぜこのように妊娠の平均年齢が高齢化しているのでしょうか?それぞれの原因について細かく解説していきます。

女性の社会進出

戦前〜昭和における女性の立場は、若いうちに結婚し、原則専業主婦として家事や子育てを担う、というのがスタンダードな女性のイメージでした。

厚生労働省のデータによれば、昭和50年代の女性の初産年齢は、平均25.7歳となっており、2016年のデータによれば29.4歳にまで上昇しています。

昭和の初期は未婚率も2%以下であり、ほとんどの女性が結婚をして妊娠していました。しかし、社会進出を目指す女性が増えたことで、平成22年の時点では10%を超えるほどにまで女性の未婚率は上昇し、初産の平均年齢はだんだん高齢化しているのが現状です。

子育ておよび教育費の増加

高齢化に伴って現役世代が減少し、財政事情が悪化し子育てに関する手当が少なくなったり、サラリーマンの実質賃金が低下傾向にあることで、男性側も結婚する余裕がなくなって、初産の平均年齢が高齢化しています。

また、幼児教育の人員不足や財源の不足などもあって、子供を預けられる施設が限られており、さらに保育料も生活費から捻出するのは厳しい状況でもあります。

大学進学率が上昇したことで家計の中の教育費の負担が多くなっています。金銭的な余裕をもってから妊娠や出産しようと考える人が増えたため、初産の年齢が高くなり、高齢出産が増えたと考えられます。

政府は今までは高齢者に向けての政策優遇を行なっていたことが多かったのですが、今は子育て世帯へのバックアップに動いています。

幼児教育無償化など、これはかなり家計の負担をやわらげる効果があるでしょう。

結婚、出産に対する価値観の変化

前述のように、以前は、女性は若くして結婚し出産、家庭に入るというのがスタンダードだったものが、近年では女性もキャリアを積んで社会で活躍する場所が広がりました。

高齢出産が増えた原因に、このような女性の価値観の変化もあげられます。一生涯を独身で過ごし、子供を産まない女性の数も増えた影響もあります。

産科医療、不妊治療の技術、新生児医療の技術などの進歩

以前は30代の妊娠出産はハイリスク妊娠とされていました。

現在では妊娠22週以降に生まれた胎児は生存可能の確率があるとされていますが、数十年前までは妊娠28週未満は、助けることができない時代がありました。

医療技術の向上により、ある程度までは高齢であっても安全に出産できるようになりましたので、高齢出産の割合が増加していると考えられます。

さらにここ10年ほどで、ART(Assisted Reproductive Technology)と呼ばれる高度不妊治療による体外受精での出産が増え、今では40代でも妊娠出産可能なレベルまで医療は発展しました。

出産の最適年齢と、実際に妊娠できる年齢の限界とは?

具体的な年齢別の妊娠の確率については以下の通りです。

  • 20代で約80%
  • 30代で約60%
  • 40代前半で約40%
  • 40代後半以降で約10~20%程度

※日本生殖医学会HPより:http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa18.html

このように、やはり出産に最も適した年齢は20代〜30代の前半まで、というのは変わっていません。

35歳以上を高齢出産と定義しますが、それは35歳を超えると、若いころよりも妊娠する確率が大幅に減少するからです。さらに35歳を超えたあたりから、胎児に染色体異常が起こる確率が高まります。

また妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症が起こる確率も高まりますので、出産自体が生命に危険を脅かす行為になってきます。

高齢妊娠がハイリスクである理由

妊娠・出産による母体へのリスク

高齢妊娠、出産による母体へのリスクとして代表的なものに妊娠高血圧症候群があげられます。妊娠高血圧症候群は、定義上、妊娠20週以降に、浮腫、蛋白尿、高血圧の症状を認めます。

妊娠高血圧症候群の発症率は、高齢になるほど現れる割合が高くなり、最終的な治療手段としてはターミネーションといって、出産を終了させる必要があり、多くの場合は帝王切開を選択されることになります。

不妊の割合が年齢とともに増加するという現実

いかに不妊治療が優れた技術だと言っても、やはり年齢とともに妊娠の確率は低下します。

AMH(抗ミュラー管ホルモン)という卵巣の残余予備能力を示す血液検査の指標がありますが、20代後半をピークに年齢とともに減少して行きます。減少すと妊娠率も減ってゆきます。

高度不妊治療の技術を持ってしても、35歳以上になると妊娠することは困難になってきます。妊活を考えている方は、あらかじめ妊娠できる年齢を意識し、早めに夫婦で計画を立てましょう。

生まれてくる赤ちゃんへの影響や流産確率の上昇

高齢で妊娠した場合は確率的にですがダウン症の胎児が生まれる可能性が高まります。

ダウン症は、20代の発生率が0.1%未満なのに対し、35歳以降は0.3%40歳以上になると1%に上昇します。

卵子が老朽化してしまうことが胎児のダウン症の発生率が高まる原因の一つとして言われていますが、詳細はまだ不明です。

ですので、35歳以上で妊娠した方には、クワトロマーカーという胎児の遺伝子の異常を確率的に推測できる検査を推奨されたりすることもあります。

これは、母体の血液から数種類の特殊なタンパク質を検査することで、胎児遺伝子異常を確率的に推測する検査です。確定診断は羊水診断になります。また高齢妊娠の場合、流産の確率が上がります。

すべての妊娠の自然流産率が10~15%なのに対し、35歳以上では約20%になることがわかっています。流産の原因の多くは胎児側の遺伝子異常の問題と言われています。

まとめ

以上、高齢妊娠のリスクや、妊娠に最適な年齢について解説しました。

これらを踏まえて、妊活を考えている方は1日でも早く、産婦人科専門医を受診し相談するのが良いでしょう。

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