なんとなく集めた食器を使って料理を盛り付けるよりも愛着のある一皿に料理を盛り付けると気分が上がることがあります。
食器選びは意外と大変で実際に食卓に並ぶ器をみて理想と違うと思うこともあるかもしれません。
料理が映える食器、日常使いしやすい食器など器を選ぶポイントと、知っておくと便利な器の基礎知識を紹介します。
器の基礎知識
器を手にとってみてください。それぞれ違いがあることがわかるでしょう。器はデザインだけでなく何で作られているかによって出来上がりが違います。
値段の高い安いに関わらずどの器も個性があることを理解し、選ぶ際には自分が使いやすいものを選びましょう。
ここでは器を選ぶ基準となる器の基礎知識を紹介します。
◎陶器と磁器
鉱物で作られている焼き物と呼ばれる器は陶器と磁器にわけることができます。陶器は土、磁器は石粉が原料として作られているものです。
磁器の特徴は白っぽい色をしていて表面がなめらかでつるつるしています。一方陶器は色の種類が80以上あり、表面は土っぽくざらざらとしていて厚手です。
釉薬(ゆうやく)
釉薬(ゆうやく)とは陶器、磁器の表面にガラス質で覆う膜のことを指します。
一方、釉薬をしていない焼き物のことを素焼きと言い、素焼きの器は水分を吸収しやすくなることから日常使いの器には釉薬をしていることがほとんどです。
釉薬により器は強度が上がり仕上がりも美しくなります。
器の装飾
装飾にはさまざまな種類がありますが一般的なのが、上絵つけと呼ばれる釉薬をして焼いた後に表面に絵を描いたもの、下絵つけと呼ばれる釉薬の前に絵を描きその後釉薬をかけ焼いたものです。
他にも粉引きという白化粧をして透明な釉薬を施したもの、象嵌(ぞうがん)というさまざまな色の土を合わせて埋め込んだ器も見かけることが多いかもしれません。
カラー別の器の使い方
では、実際に食卓に並んだ器を見てみましょう。イメージ通りの器でしょうか。
好きで買ったのに料理を盛ってみると好みじゃないということもあるかもしれません。
そんな時は器の色から受けるイメージ別の使い方を考えながら料理を盛ってみましょう。
白の器
白い器はシンプルで料理を引き立てます。和食にも洋食にも合うので白いお皿を持っていると役立ちますね。
白いお皿のイメージは清潔です。テーブルコーディネートではテーブルクロス、ランチョンマットなどで好みのカラーを使うことで華やかになります。
黒の器
モダンな印象になる黒の器も持っているとアクセントになります。野菜を黒の器に盛るだけでコントラストが美しくテーブルが華やかになるでしょう。
難易度が高いと思われることの多い黒の器ですが、さまざまな大きさの黒の器を使って普段のおかずをランクアップさせましょう。
柄ものの器
柄もの器はデザイン性が高く、メーンの料理の器に選ぶにはぴったりです。器だけで芸術作品なので食卓に個性が出てパーティーなどで柄ものの器を使うと一目置かれるでしょう。
柄ものの器はシンプルな料理が似合います。魚の煮付けなどを盛り付けることで柄ものの器のデザイン性が発揮され華やかなテーブルになりますね。
器の選び方
主菜には18~24㎝で白色
主菜を盛り付けるちょうどいい大きさの器は6~8寸で、18~24㎝くらいのものがおすすめです。
また、器の色は白いものを選ぶと料理のジャンルを選ばず使うことができます。
大きめの器を使ってさまざまな料理を盛り付けワンプレートにする際にも白の器は役立ちますよ。
副菜、取り皿は12~18㎝
副菜の器は小鉢と呼ばれる12cmほどの深めのボウル皿がおすすめです。
片口と呼ぶ口縁に注ぎ口のある器を副菜用の器として数枚持っているとテーブルのアクセントになり、盛り付ける料理に変化が出て便利でしょう。
取り皿用の器には平皿と汁が入ってもこぼれないお皿の二種類あると役立ちます。
めし碗と汁碗は持って違和感のないものを選ぶ
めし碗と汁碗を選ぶポイントは使いやすさです。めし碗、汁碗はちょうどいい大きさ、手触りなどをしっかりと確かめて選びましょう。
一番使用頻度の高い器です。自分の好みのものを納得いくまで探してみてもいいですね。
あると役に立つ器
食卓に並ぶことは少ないかもしれませんが、あると便利な器を紹介します。
料理によっては必要になってくる器なので、毎日使う器が揃ったら探し始めてみましょう。
中鉢は15~21㎝
文章だけだと難しいので画像をお願いします。ラーメン、うどんなどの料理にも使うことができる中鉢はさまざまなサイズを揃えておくと便利です。
汁のある料理も盛り付けることができるように、深めのボウルがあると役に立ちます。
また、中鉢は来客時の取り皿としても活用できるのでさまざまな柄のものを探してみましょう。
豆皿は10cm
豆皿は三寸、10cm以下の皿のことをいいます。しょうゆ、薬味を入れる以外にも箸置きとして使うこともできる使い勝手のよい皿です。
豆皿は多めに持っていても収納場所もとらないので、自分好みの豆皿を集めておきましょう。
そばちょこは茶碗蒸しにも使える
文章だけだと難しいので画像をお願いします。そばちょこは蕎麦をつけるだけの使用方法ではありません。
プリンを作る器として使うこともできますし、そばちょこを使って茶碗蒸しもできます。蕎麦を食べることが少ない家庭でもあると便利な器です。
器の有名な県
器の産地として有名な県は14箇所ほどあります。産地以外にも作られていますが陶磁器の有名な県のものを一度手にしてみてくださいね。
それぞれ特徴がありますが、おすすめの6県を紹介します。旅行で訪れた場所でお気に入りの器に出会えるように、産地の器の特徴を知っておきましょう。
栃木県の益子焼き
文章だけだと難しいので画像をお願いします。モダンな印象の器が多い益子焼きは民藝運動から広まった器です。
鉄分の多い土を使っている器で色は茶色がかっています。フォルムもふっくらしていて温かみを感じる器でしょう。
滋賀県の信楽焼き
信楽焼きの歴史は古く聖武天皇から広まったといわれています。信楽焼きの始まりが瓦ということで、信楽焼きの特徴は赤みがかっていることです。
また、釉薬により色の種類も増えさまざまな色の信楽焼きがあります。
岐阜県の美濃焼き
伝統的工芸品に認定されている器が、岐阜県にあります。しかし、普段使いしやすいデザインで伝統工芸品でありながら堅苦しい器ではありません。
歴史は古く鎌倉時代から作られ始めた器です。美濃焼きには、志野(しの)、織部(おりべ)、黄瀬戸(きぜと)、瀬戸黒(せとぐろ)など代表的なものだけで4種類以上に分類されます。
それぞれ個性があり色、手触りなどに違いがあるのでお気に入りの一枚を見つけてみましょう。
京都の京焼き
京焼きとは京都で焼かれる器のことです。また、京焼きは清水焼き(きよみずやき)と呼ばれることもあり、清水寺へ向かう清水坂周辺で焼かれていたことから清水焼きと呼ばれるようになりました。
京都には多くの焼き物の窯がありましたが、現在では代表的な清水焼きがメーンです。京焼きには高い品質のデザイン性も高い器が揃っています。
福岡県の小鹿田焼き
飛鉋(とびかんな)、櫛目(くしめ)など伝統的な技法で飾られた美しい小鹿田焼きですが、その歴史は古く江戸中期から広まった器です。
伝統を守りながら眺めても楽しい技巧を凝らすデザインで人気があります。
沖縄のやちむん
使いやすい器を探している方には沖縄の焼きものである、やちむんがおすすめです。
厚みがありどっしりとした器に毎日の料理の盛り付けが楽しくなるような模様が描かれています。
沖縄ならではの明るいイメージの器でしょう。最近ではさまざまな雑貨店でやちむんを取り扱っているので、お店でやちむんを見かけた際には手にとってみてはいかがでしょう。
まとめ
器の基礎知識と選ぶコツを知って楽しくテーブルコーディネートをしましょう。同じ料理を盛り付けても特別な一枚の器を使うと気分があがることがあります。
器を買う際には実際に料理を盛ってみてどんな雰囲気になるのかを想像してみることが大切です。器を集めることで家事をご機嫌にすることができるでしょう。