学校で性教育をしているにも関わらず、インターネットや雑誌に性情報があふれ、子供たちは間違った知識を持ってしまいます。
これは家庭でも性教育が必要な証拠です。でも子供と性について話すのは躊躇しがちです。
「どうしてママにはおちんちんがないの?」
「赤ちゃんってどうやってできるの?」
こう聞かれて何と答えれば良いか困るママはたくさんいます。そこで今回は実際の家庭での性教育はどうしているのか、10人のママに聞いてみました。ご家庭での性教育の参考にしてください。
なぜ性教育は必要?10人のママの意見は?
なぜ性教育が必要なのかというと例えば以下のような理由があります。
- 予期しない妊娠・出産で妊娠中絶や虐待が起こるのを防ぐため
- 性犯罪を防ぐため
10人のママに聞きました。
Q. なぜ性教育が必要だと思いますか?
- 心身の負担が大きいのは女の子だから(女の子ママ)
- 体の発達で人をからかうことになることを防ぐため(男の子ママ)
- 性犯罪から自分を守る知識をつけるため(女の子ママ)
- 自分の体の大切さ、他人の体の大切さを知ってもらうため(男の子ママ)
といった意見がありました。
2017年の未成年の人工妊娠中絶の件数は14,128件です。
2007年から2017年の10年間で10代の子供から生まれた赤ちゃん111人が虐待死し、111人の内25人はトイレやロッカーに捨てられ、生まれた日に死んでいます。
そして、2018年の18歳未満の性犯罪被害者は1,813人です。
自分の子供が被害者にも加害者にもなるのを防ぐため、性教育が必要だと考えるママが多いです。
子供の性教育の実態
子供の性教育の実態について、学校で教えてもらう性教育と、友人やインターネットなど自分で得る間違った知識にどんなものがあるのか調べてました。
学校で教えてもらう性教育
子供が学校で教えてもらう性教育の内容をまとめました。学校で教える性教育は、文部科学省が指針を示しています。
小学校
体の発育と発達について
思春期になると男女で体つきが変わってくること、異性に興味を持ち始めることを教えます。女の子は生理、男の子は精通が始まり、男女とも陰毛が生え始めますが、人により成長具合は異なることを理解してもらいます。
心の発達、不安や悩みへの対応
不安や悩みは誰でも経験することなので、大人や友達に相談することで解決していくことを教えます。小学校は自分の体、そして異性の体に興味を持ち始める時期です。自分の体の発達に悩むことがあれば、周りの人に相談して解決することを教えます。
中学校
生殖機能が成熟するので、この変化に対応する行動が必要になること女子は生理、男子は射精があり、妊娠できることを教えます。
性について憧れや不安を抱く時期のため、間違った性情報を信じないよう、適切な態度や行動が必要になることを認識してもらいます。
男女の違いを理解すること
男女の体の違いが見た目でわかる時期になるため、異性として強く意識することにより衝突が起きやすくなります。男女の違いはあっても、人間として尊重し合い、協力し合えるよう教えます。
中学校になると男女で体が異なることがはっきりとわかります。彼氏彼女ができる子もたくさんいます。間違ったセックスで予期しない妊娠が起こらないよう、自分たちで防ぐ力をつけていきます。
高等学校
性と健康について
エイズなどの感染症の予防について教えます。また、妊娠・出産ができるので、家族計画について、人工妊娠中絶の影響を教え、意思決定と行動選択の大切さを教えます。
健康や安全について
簡単にインターネットから情報を得ることができることから、自分の行動がどう周りに影響していくかを教えます。高校になるとセックスをしたことがある子供が増えます。
避妊方法も「外出しなら大丈夫」など間違った認識をしやすい時期です。妊娠出産が現実のものとして認識しないといけないため、小学校中学校よりも高度な性教育になってきます。
自分で知る間違った知識
今は簡単に情報が手に入ります。子供が友達やインターネット自分で得る間違った性知識にはどんなものがあるのでしょうか?
愛媛県立医療大学がまとめた『高校生の性知識と性情報についての報告』から質問と正答率を紹介します。
Q. 膣外射精は確実な避妊方法である
男 69.8%
女 67.3%
Q. 排卵はいつも月経中にある
男 15.8%
女 45.0%
Q. 精液がたまりすぎると体に悪影響がある
男 45.0%
女 13.2%
Q. 性感染症を治療しないと不妊症になる
男 49.0%
女 58.6%
Q. オーラルセックスでは性感染症はうつらない
男 48.4%
女 50.4%
Q. ピルは、エイズウイルス感染や性感染症を予防できない
男 49.0%
女 49.0%
なんと、膣外射精は避妊になると思っている子供たちが全体の7割近くいることがわかりました。これは大変な数字です。
間違った性認識が蔓延していることがわかります。これはすぐに正す必要があります。
そして、月経中に排卵があると思っている女の子が半数近くいます。生理の仕組みをわかっていない証拠ですね。
自分の体のことなのに全くわかっていないことは、ママにとってとてもショックなことです。
全体的に正答率が低い結果がなっています。自分の子供は大丈夫だと思っていませんでしたか?子供はほぼ間違った性知識を持っていると思った方がいいです。
自分の子供が妊娠したり、妊娠させてしまうことを防ぐためにも、やはり学校の性教育だけでは足りないということですね。
膣外射精については、大人になっても「外出しすれば大丈夫」と思っている男女がいます。
間違った知識を持ったまま大人になることで、予期しない妊娠・出産が増えていきます。
いつ子供に性教育は教える?10人のママの意見
家庭での子供の性教育をどう進めているか、どうしていきたいと思っているか聞いてみました。
未就学児から教える
小さな頃から性教育をすることで、性に興味を持つのは悪いことではないということを教えられます。
性について内緒にすると子供は悪いことだと認識し、困った時に親に相談しづらくなります。
性についてオープンでいるためには、幼少期からの性教育が必要だと考えるママが多いです。
幼少期から教えるの中にはセックスについて具体的なことは話さず「体の大切さ」を教える派と、「セックスについてまできちんと教える」派に分かれました。
「体の大切さを教える」派は、男女の体の違い、デリケートゾーンについてなど人に見せていい場所と見せてはいけない場所を教えるということでした。
「セックスについてまで教える」派は、赤ちゃんができる仕組みを教えるということでした。
絵本『ぼくどこからきたの?』はセックスについてはっきりと教えるということで特に人気があり、SNSでも話題になっています。
小学校で性教育の授業が始まった時
性教育の授業が始まるタイミングで、学校ではオブラートに隠される部分を教えていくという意見です。
本人が興味を持った時
「赤ちゃんはどうやってできるの?」「どうしてママのお股から血が出るの?」など聞かれたら答えるようにするという意見です。必要な時に必要な情報を与えるということですね。
生理が始まる時(女の子限定)
女の子は必ず起こる生理。生理が始まる前に体の仕組みを知ることで、不安を感じないようにさせたいという意見です。
性教育を教えるタイミングは4つ
性教育を教える時期はこの4つに分かれました。
小さな頃から「体の大切さ」を教えることが思春期の性教育に役立つと考えるママの意見には納得です。
ませている子供だと、学校で初めて性教育を習う時にはすでに性の知識がついている可能性が高いです。
その知識から異性を傷付ける恐れもあるため、男の子のママは特に敏感なようです。
まとめ
子供の性教育はどうしているか、ママの意見とともに紹介しました。
性教育のタイミングを逃したというママ、まだ間に合いますのでこれからきちんと子供に話してあげてください。
子供に話すタイミングは家庭で話し合って決める必要があります。きちんと話すためにはママの知識も必要です。
教材を使うなどしてうまく性教育を進めていきましょう。以下の記事も併せてご覧ください。
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