毎月の生理が面倒だなと思うけど、出血がないとそれはそれで困りますね。そして、安定した生理の周期だったのに、突然、来るはずの出血がないと心配になります。出血がない日々は、トイレに行っては確認したりと心も身体もソワソワしてきます。
また、少し早めに生理が来たら、出血がいつもより少なくて驚き不安になりますね。生理の出血を除く性器からの出血を不正出血といいます。いつもより少ない出血は生理ではなく、不正出血の可能性もあるのです。
ここでは、生理の周期が安定しないで出血がないケースと不正出血について、詳しくお伝えします。
生理の出血がない原因と症状
今月はまだ出血がない、生理が遅れているのはもしかして妊娠したから?と頭の中がいっぱいになってしまいますね。
1週間ぐらいの生理周期のズレは良くあることですが、1週間を過ぎるころから日増しに不安が募ります。ここでは、生理の出血がない主な4つの原因と症状をご紹介していきます。
妊娠
生理の出血がないことで、先ず思うのは妊娠したかな?ということですね。生理周期は、生理(月経期)・増殖期・排卵期・分泌期で、妊娠の準備をしているサイクルです。妊娠は、排卵後に女性の体内で精子と卵子が受精して子宮内膜に着床することで成立します。
飛び出した卵子が受精できるのは12~24時間で、精子は一般的に3~4日間生存しています。このため、女性の排卵日前後に、妊娠することができます。妊娠することで、生理は止まり出血がない状態になりますが、生理ではない出血が起きる可能性があります。
生理不順
生理の出血がない・生理の出血が止まらないなど、生理の出血や期間に異常が起きた状態を生理不順と言います。生理周期は、前の月の生理が始まった日を第1日目としてカウントし、次の月の生理が始まる前の日までを指しています。
正常な生理周期の範囲は25日~38日ですが、生理不順では間隔が25日未満や39日以上になります。そして、出血の期間が一般的には7日程度であるのに、3日未満や8日以上になります。
生理の出血量が通常は20~140mlであるのに、生理不順では20ml未満と非常に少なく、時には生理が止まってしまうケースもあるのです。また、出血量が140mlを超え多くなることも、このような生理不順には、主に4つの原因があります。
生理不順についてはこちらの記事でもご紹介しています▼
生理が予定よりも早まったり、遅れたりといった経験は、多くの女性が経験していることでしょう。月経が始まってから数年間はホルモン調節機能が未熟なため生理不順になることがあります。 しかし、18歳頃になっても同じような状態が続いている場合は[…]
❶女性ホルモンのバランスの乱れ
私たち女性の身体は、卵胞ホルモンのエストロゲンと黄体ホルモンのプロゲステロンという2つの女性ホルモンのバランスによって生理周期が保たれています。女性ホルモンは、脳下垂体の指令によって卵巣で分泌され、その影響で子宮が妊娠の準備をしたり生理の出血を起こしているのです。
この女性ホルモンのバランスが乱れる原因は主に、生活習慣の乱れ・冷え・過度なダイエット・睡眠不足などがあり、生理の出血がない原因の一つになります。
❷ストレス
心と身体のストレスが蓄積することで、体調を崩し生理周期が乱れて出血がないことがあります。生理は毎月のことだからと様々な不快感や痛みを我慢したり、仕事や人間関係で無理をしていると自覚がなくても身体は悲鳴をあげるのです。
痛みや不快感のような症状だけではなく、排卵が起きないことで生理の出血がなくなることに繋がります。
❸甲状腺ホルモンの異常
甲状腺は、喉の前面の付け根にある小さな内分泌腺でホルモンを作っています。そして、甲状腺ホルモンは、脳・エネルギー・体温・心臓など身体の様々な作用をコントロールしているのです。
甲状腺の機能に異常が起き、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると甲状腺機能亢進症に、分泌が不足すると甲状腺機能低下症という病気になります。そして、この2つの症状に共通しているのが、生理不順になることです。
甲状腺ホルモンの分泌が過剰・不足しても、生理の出血が少なくなったり多くなったり、生理周期が短かったり長くなったり、生理が止まってしまうこともあるのです。
❹病気の可能性
生理不順で、生理周期が25日未満で短いケースは頻発月経、39日以上で間隔が長いケースは稀発月経と言います。このような生理不順の原因には様々な病気が潜んでいる可能性があります。
- 無排卵周期
- 体重の大きな変化(減少・増加)
- 卵巣機能の低下
- 多嚢胞性卵巣症候群
- 婦人科系の病気
一時的な生理の遅れ
女性の身体は非常にデリケートなので、体調不良によって一時的に生理が遅れ出血がないことがあります。数日のズレは多くの女性が経験していますが、体調が悪いと2週間ほどズレてしまうこともあります。
一時的な生理の遅れの原因として考えられるのは、過度な疲労・ストレス・極端なダイエット・食事制限・睡眠不足・喫煙・飲酒・風邪などによるものです。そして、加齢とともに以前は影響がなかった身体や心の「我慢」が、体調不良として現れることもあります。
早発閉経・早期閉経
20代や30代で卵巣が機能不全となり閉経することを、早発閉経・早期閉経と言います。閉経と聞くと50歳を過ぎた中高齢の女性の生理が終わることだと多くの人が思っていますね。
実は、12ヵ月以上生理の出血がないことを閉経といい、30代未満では1000人に1人、30代では100人に1人の割合で早発閉経が起きています。日本人の平均的な閉経年齢は52歳で個人差がありますが、50歳前後で閉経となる女性が一般的です。
生理不順を長く放置すると、卵巣機能が低下してホルモンの分泌が減少します。そして、卵巣が機能不全となり、生理の出血がない状態になります。現在では、ホルモン療法などによって、卵巣の機能を改善させることで排卵が起き、生理の出血が再開できます。
出血が少ないときの生理と不正出血の見分け方
私たち女性は妊娠すると生理での出血がない状態になりますね。ところが、妊娠中でも身体の異変によって、性器から不正出血が起きることがあります。また、生理の前後に不正出血があると、生理との区別がつかずに、出血が8日以上止まらないと勘違いすることにもなります。
そして、生理の周期が安定していない女性は、不正出血を生理と認識して妊娠に気づかないこともあるのです。このような混乱を避けるために、出血の少ない生理と不正出血についてみてみましょう。
生理と不正出血
不正出血(不性器出血)とは、生理以外で性器から出血することすべてを指しています。そして、出血の状態や量はその症状により異なります。不正出血には、妊娠が関係している妊娠性不性器出血と非妊娠性子宮出血とがあります。
注意したいのは、不正出血には重大な病気が潜んでいる可能性があることです。不正出血は、出血する量や期間、そして出血の形状などは症状によって異なります。
生理の出血が少ない過小月経と過短月経
生理の出血が少ないと感じるのは、ナプキンを見た時といつもより出血の日数が短い時ですね。微妙な違いは分かりませんが、通常7日だった出血の日数が2日だったり、ナプキンの出血が真ん中に少しだったりすると心配になります。
生理の出血が多い2~3日目でも、ナプキンの交換が不要なくらい出血が少ないことを過小月経といい、生理の期間が2日以内を過短月経といいます。一般的な女性の出血量は20ml~140mlで、これを下回ると出血が少ないことになります。20mlと言う出血量は、1日ナプキンを交換しなくても大丈夫な量です。
過小月経の原因は様々ですが、主に病気・ストレス・食生活・ホルモンバランスの乱れなどがあります。
不正出血で出血が少ないケース
不正出血は、子宮に病気がある場合やホルモンバランスが乱れるなど様々な原因があります。そして、不正出血の量や期間は、原因や症状によって個人差があります。ここでは、一般的に出血が少ない不正出血の着床出血と排卵出血についてお伝えします。
❶妊娠による着床出血
着床出血は妊娠初期症状の一つで、正式には「生理様出血」や「月経様出血」と言い、生理とよく似ている、妊娠初期の出血です。生理予定日の1週間ほど前に2~3日程度、少量の不正出血があるときは、妊娠の可能性があります。
受精した卵子が子宮に着床し妊娠した際に子宮壁が変化して、少量の出血が短期間で終わることがあるのです。妊娠が分かった時に、あの時の少ない出血は着床出血だったんだと気が付く人もいます。稀にある着床出血は病気ではありませんが、その他の妊娠中の出血は注意が必要です。
❷排卵出血
比較的心配しなくていい不正出血が、排卵時に起こる排卵出血です。そして、排卵の時に出血するので、中間期出血・排卵期出血などと呼ばれることもあります。
排卵出血の原因の1つは、排卵のときに卵胞が卵巣の表面を傷つけることで出血します。そして、もう1つは、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少して、子宮内膜が少し剥がれることによる出血です。排卵出血は排卵日前後3日以内で出血の量は少量、出血の色は赤色から茶色まで個人差があります。
出血がない時は婦人科に相談
出血がないときやいつもより少ないときは、悩んだり迷ったりしないで、婦人科に相談しましょう。その際、先ずは電話やオンライン診察で、受診のときに準備するものなど確認することで二度手間になることを回避できます。
一般的に、生理や不正出血など性器からの出血については、最近2ヵ月程度の生理周期・出血やオリモノの状態などの情報が必要になります。いざと言う時のために、今から、基礎体温を測定して基礎体温表を作る習慣を始めましょう。