食べない子どもにイライラ…そんなあなたに試してほしいストレスフリーな離乳食づくり

せっかく作った離乳食なのに、なかなか食べてくれない…
食べさせようとすると泣き出してしまう…
皿の上のごはんで遊んでしまう…

平成27年度乳幼児栄養調査では、保護者の75%が離乳食に悩みを抱えていることが明らかになりました。また「離乳食を作るのが負担・大変」という答えが一番多いことも結果に表れています。

食事の時間は、一日に何度もやってきます。母乳やミルクからうまく移行できないと、子どもにとっても、そしてあなたにとっても、大きなストレスになります。

しかし、離乳食期は味覚を育てるためにとても大切な時期です。またしっかり噛むことで唾液が分泌されると成長ホルモンが作られ、大脳の発達につながります。その発達の第一歩としても重要な役割をもっているのです。

今回はストレスをためない離乳食の作りかたと食べさせ方を見ていきましょう。

なんで食べない?

 

どうして離乳食を食べないのでしょうか?その理由には次のものが考えられます。

  • 初めて出会う味や食感、においに戸惑う
  • スプーンの感触が好きじゃない
  • 母乳やミルクですでにお腹がいっぱい
  • 口の発達が未熟である
  • 遊ぶことに気持ちがそれてしまう
  • 離乳食の形状が変わって戸惑っている
  • 味に好みが出てくる
  • 味つけが薄すぎる

赤ちゃんもひとりの人間です。ひとりずつ個性があり、食べない理由も様々です。お子さんの成長に照らし合わせながら、当てはまる理由を見つけていきましょう。

初めて出会う味や食感、においに戸惑う

赤ちゃんにとって、毎日が未知との遭遇です。食事もそのうちのひとつ。初めての出会いには戸惑いや不安がともないます。

母乳やミルクとは大きく違った離乳食を味わうと、最初のうちは赤ちゃんもびっくりして食べられないことがあります。また、味や食感だけでなく、においの刺激に驚いて食べないこともあります。

スプーンの感触が好きじゃない

赤ちゃんの口に離乳食を運ぶとき、どんなスプーンを使っていますか?赤ちゃんが食べるのを嫌がるときには、スプーンの素材や大きさ、形が赤ちゃんの口に合っていない可能性もあります。

母乳やミルクでお腹がいっぱい

母乳やミルクをあげてからどれくらいの時間が経っていますか?赤ちゃんも大人と一緒で、お腹がいっぱいのときは離乳食を食べたがりません。また、お腹が空きすぎていても機嫌が悪く離乳食を食べようとしないことがあります。

口の発達が未熟である

離乳食を口に運んでも、食べずに吐き出してしまう…そんなときは、赤ちゃんの舌がじゅうぶんに発達していない可能性があります。離乳食を開始する時期が少し早かったのかもしれません。

もしじゅうぶんに舌が発達していたとしても、離乳食を開始してすぐのときは新しい刺激に慣れておらず、赤ちゃんの意思に関係なく反射的に舌で押し出してしまうこともあります。

遊ぶことに気持ちがそれてしまう

ごはんを食べているときに赤ちゃんの周りには何がありますか?テレビやおもちゃ、赤ちゃんの目の高さから見えるものはたくさんあると思います。食事中、赤ちゃんの意識が食べること以外に向いていると、離乳食も進みづらくなります。

離乳食の形状が変わって戸惑っている

赤ちゃんの成長に合わせて離乳食の形状も変化します。赤ちゃんの舌は繊細なので、初めて食べる硬さ、形に戸惑ってしまうことも。

味に好みが出てくる

味覚が発達すると、赤ちゃんにも味の好みができてきます。それにより、離乳食を食べたときに好きな味、苦手な味を意思表示するようになります。好き嫌いが出てくるのは成長の証です。とくに特定の離乳食を食べない場合にはこのような理由が考えられます。

味つけが薄すぎる

離乳食は普段どのように味つけをしていますか?赤ちゃんが離乳食を食べない理由には味つけの薄さも関係してきます。

離乳食は薄味が基本ですが、赤ちゃんがあまり食べようとしない場合には味つけが薄すぎる可能性も。大人もそうですが、赤ちゃんも同じように極端に味が薄いと食が進みません。

ストレスフリーな離乳食の作りかた

毎日の離乳食づくり。ストレスをためない作りかたをポイントに分けて見ていきましょう。

手間を最小限におさえる

調理の手間が少しでも省けると、離乳食づくりの負担も減ります。大人の食事と赤ちゃんの離乳食、別々に作っていませんか?

メニューによっては、大人の食事と離乳食、途中まで一緒に調理することも可能です。

たとえば煮物を作るとき。野菜を煮たら、薄く味をつけ、赤ちゃんの分だけ取り分けて発達段階に合わせてきざみます。その後、大人の舌に合わせて味を整えます。

洗い物も少なく簡単に離乳食ができるので、大人の食事を作るついでに離乳食も作ってしまうことをオススメします。

このとき、固い食材や辛み・脂肪分の少ない食材を選ぶことがポイントです。また、もう少し食材を柔らかくしたいときには電子レンジで調整できます。

そして、フードプロセッサーや卓上ごますり器など調理を手助けしてくれるアイテムを使うこともストレスを減らせる工夫の一つです。離乳食は毎日作るものなので、上手に取り入れていきましょう。

子どもが食べてくれる離乳食とは?

離乳食を作るママが見落としがちなのが、離乳食の味つけです。薄味を意識しすぎて素材の味しかしない離乳食は、あまり食べたがらないことがあります。

赤ちゃんが離乳食を食べない場合には、出汁や塩で味を整えてあげてください。このとき、大人の食事ほど濃い味にならないように調整してください。

また、離乳食の形状が気になって食べない赤ちゃんもいます。赤ちゃんの成長や発達に合わせて離乳食の形状が変わったとき、最初のうちはその変化に戸惑ってしまうことも。

そんなときは水溶き片栗粉でとろみをつけましょう。慣れてきたら少しずつ減らしていくと、スムーズに離乳食が進みます。

市販品も上手に活用

スーパーや薬局にはたくさんの種類の離乳食が並んでいます。離乳食づくりに疲れてしまったら、市販品も上手に活用しましょう。

市販の離乳食は栄養、味つけ、発達に合わせた形状など、プロの手で様々な視点から開発されています。買うことに罪悪感をおぼえる必要はありません。うまく生活の中に取り入れていきましょう。

また、市販品を味見して、味つけや子どもが食べやすい形状など家庭での離乳食づくりの参考にするのも良いでしょう。

離乳食を食べさせるときのポイント

離乳食を食べさせるときには、食事を楽しむ雰囲気づくりが大切です。赤ちゃんに声をかけながら、笑顔で過ごせるよう心がけましょう。

食事量はあまり気にしなくて大丈夫です。目安もありますが、食べないときは無理強いせず「食事は楽しいもの」と感じられるようにすることの方が重要になります。子どもが食事を嫌がらなくなれば、結果としてママも子どもも食事のときのストレスが減ります。

そして離乳食は赤ちゃんの機嫌がいいタイミングを見つけてあげるのがポイント。お腹が空きすぎていると機嫌が悪くなりがちなので、そんなときはミルクや母乳を少し与えてから離乳食を食べさせるのもひとつの手です。

また、食事中はテレビやおもちゃなど赤ちゃんが気になってしまうものを遠ざけると、赤ちゃんの意識が食事だけに向き、集中して食べることができます。食事のときの環境づくりにも気を配ってみてください。

まとめ

離乳食がうまく進まないときは、つい子どもにイライラしてしまうことも。

そんなときは一度深呼吸をして、子どもとの心の距離を遠ざけるよう客観的に子どもをみてあげてください。

また、子どもの成長には個人差があります。焦る必要はありませんので、マイペースに進めていきましょう。