みなさんは“子供を持つ親の離婚”に対してどのように思っていますか。「子供がいるから仮面夫婦を続けるべき」「片親は子供にとってかわいそう」など、様々な意見をよく聞きます。
しかし、果たして子供がいて離婚することはいけないことなのでしょうか。この記事では「子供がいるけど離婚を考えている」方へ向けて、子供がいるからこそ離婚を推奨する理由を子供の視点も取り入れながら解説します。
婚姻と離婚・シングルマザーの状況
婚姻率
現代では晩婚や少子化が問題視されています。近年、初婚の年齢も上がってきており、よくニュースでも取り上げられています。
厚生労働省の調査によると、婚姻件数は58万6438組で、前年の60万6866組の3.4%減少しています。昭和47年の109万9985組をピークに増加と減少をくり返しながら、平成25年から6年連続減少しています。
また、初婚の年齢も平均初婚年齢は《男性31,1歳 女性29,4歳》となっており、年齢の低い方の婚姻率の割合が低下しています。
離婚率
離婚件数は20万8333組で、前年の21万2262組より3929組減少し、離婚率は1.7%低下しています。婚姻離婚率は減少しているものの、今の日本の経済状況に不安があり、なかなか離婚に踏み切ることのできない家庭もあるのではないでしょうか。
(厚生労働省 平成30年人口動態統計の年間推計)
シングルマザーの割合
子供がいて離婚した場合、母親のもとで育てることが多いように感じます。その割合は平成24年では1209世帯中、ひとり親の家庭は91.2世帯でその中でもシングルマザーは約9割にのぼります。ほとんどの子供を持つ家庭で離婚した場合、母親が育てているようです。
(厚生労働省 平成30年人口動態統計の年間推計)
離婚を考えている家庭
gooリサーチが行ったアンケート結果によると、離婚を考えたことがある人は相手に伝えた、伝えていない場合どちらも含めて既婚者全体の4割にも及ぶそうです。半数近くの方が離婚を考えたことがあるなんて、やっぱり夫婦って難しいですね。では離婚をすることに対して、何が問題なのでしょうか。
離婚を思いとどまる理由
離婚をしたい気持ちを抑え、結婚生活を続けようと考える理由があります。それは、
- 子供がさみしい思いをしてしまう
- 離婚してからの経済面での生活の不安
ざっくりいうと、この二つが一番の理由です。
たしかに離婚してから片親となり、いじめを受けてしまった子供やさみしい思いをして非行に走ってしまう子供もいます。経済面もおおきな問題で、特に女性の所得は低く、生活苦をしいられる家庭も少なくありません。
離婚を推奨する理由
子供の心はとてもデリケートで繊細です。そのため夫婦仲が悪いことで、子供が不安やストレスを感じてしまうことがあります。これが離婚を推奨する一番の要因といえます。子供はみなさんが思っている以上に考えていますし、気付いています。
たとえば毎日のようにケンカを見せられて、空気ばかり読んでしまうような子になってしまったり、怒鳴り声や大きな声に対して、恐怖を感じることもあります。また、大人になりトラウマになっているというケースもあります。
目の前でケンカすることだけではありません。子供の前で自分の夫(妻)の悪口を言っていませんか?それも子供からすると、目の前でケンカをしているのと同じように苦しく感じてしまいます。
離婚は必ずしもネガティブなことではないというのは広く知られるべき。いない方がマシな配偶者というのをたくさん見てきて、本当にそう思う。シングルで子供を育てるのは大変だけど、子供のために我慢して離婚を踏みとどまっても良い家庭は作れないし、誰も幸せになれない。
— 𝒂𝒍𝒐𝒉𝒂 (@alohamode) February 26, 2020
離婚することで子供に与える良い影響
子供のストレスが減る
離婚することで、子供は両親のケンカを見たり聞いたりすることもなく、夫婦仲の悪い環境で感じていた不安な気持ちもなくなります。これから一緒に過ごす中で、大切に寄り添えば今よりも断然良くなるでしょう。
家庭環境が良くなる
また、なにより母親(父親)も離婚することで、これまでのストレスから解放されスッキリとした気持ちになります。そのいい雰囲気が子供に伝わり、子供も安心して家にいられるので家庭環境がよくなるはずです。
子供の将来にトラウマを持たせない
子供は繊細ですから大人になるまで忘れることが出来ず、トラウマをもって生きていくことになりかねます。そういったことを防ぐためにも離婚という選択をすることで、不安を感じさせなくていい環境ができます。
子供を最優先に
まずは子供がどのように感じているのか、不安にさせていないか、その上でこれからも夫婦関係を修復していくことが出来るのか、お互い冷静に話し合いを進めていきましょう。話し合いをする環境にも気を配りましょう。
子供が心配してしまうような場面では控え、話し合う内容も自分たちよがりの意見ではないか、子供の為を想って考えた行動が一番大切です。
離婚後の不安を相談できる機関がある
離婚を推奨する例をあげてきましたが、やはり離婚となった場合に自分一人で子供を育て上げていく場合もあります。今後の生活に不安を感じるのが正直なところですよね。しかし、今はいろんな自治体で補助金や免除など、申請をすれば受けられる制度がたくさんあります。ここからは“ひとり親”の家庭のための、いろんな制度を紹介していきます。
ひとり親が受けられる制度
- 児童手当 再婚、転居は申請を!転居は15日以内なので注意 遅れた月はなし
- 児童扶養手当 0~18歳までが対象 所得が274万円以内の家庭が対象
- 住宅手当 20歳未満のお子さんのいる母子(父子)家庭で民間アパートに居住している家庭8(※市町村独自の制度なので住んでいる市町村へ確認が必要)
- 医療費助成制度 18歳までで所得制限あり ※市町村独自
- こども医療費助成 対象者も市町村により異なる
- 特別児童扶養手当 20歳未満で精神または身体に障害のあるこども
- 障害児福祉手当 20歳未満の常時介護を必要とするこども
- 生活保護
- 母子(父子)家庭の遺族年金 18歳までのこどもが対象。妻または夫が死亡した場合、年金が遺族年金になる。それぞれの年金により給付内容が異なる
- 児童育成手当 18歳までのこどものいる家庭 ※各市町村で制度が異なる
シングルマザー限定の制度
- 寡婦控除(再婚していない女性が受けられる所得控除)
- 国民健康保険の免除 母子家庭に限らず受けられる (※各市町村により異なる)
- 国民健康保険の免除 支払うことが困難な場合
- 交通機関の割引 児童育成手当を受給している家庭に対した制度( ※各市町村により異なる)
- 粗大ごみの手数料を減免 市町村により異なる
- 上下水道料金の割引 児童扶養手当または特別児童扶養手当を受給している家庭が対象(※市町村により異なる)
- 保育料の免除または減免 所得や住民税によって異なる
このようにたくさんのサポートが国や自治体からあります。まずは相談しに行ってみてください。自治体の方もたくさんの悩んできた方をみてきたはずなので、きっとわかってくれます。不安なことはきちんと伝えましょう。
まとめ
何度も言いますが、離婚問題は夫婦感だけがつらいものではありません。子供が一番に母親や父親の変化に気付き、心配して不安になっているかもしれません。離婚の際はデリケートな問題なので、子供に合った伝え方をして、心で寄り添ってあげてください。
新しくスタートするための第一歩です。後悔のないよう、じっくり考えてよりよい人生になるために向かっていきましょう!