今回は、女性用風俗に通い詰めの毎日を送っている一人の女性にインタビュー取材。
どんな毎日を送っているのか、きっかけや悩みについて実情を赤裸々に語ってくれました。
現代の社会問題が女性用風俗の大きな進出に関係しているのでは?とも思えます。
独身アラフォーの現実から目を背けたくて
今回お話を伺ったのは、都内在住のOL・Fさん。30代後半の女性ですが、見た目は年齢よりも若く見えるのが印象的でした。かわいらしい雰囲気から結婚しててもおかしくない感じですがFさんは独身。なぜ女風に通うようになったのか、現在の生活について赤裸々に語ってくれました。
――まずFさんが女風を利用し始めたのはいつ頃からですか?
2018年春頃からなので、女風歴は3年ちょっとです。
――女風を利用したいと思ったのはなぜですか?
完全に現実逃避です。今もそうですが自分が理想としていた30代ではありません。満足していない生活に逃げるようにして駆け込んだのが女風だった…って感じですね。
――現実逃避で女風…現実で一番何から逃げたかったのでしょうか?
私、男性経験が少なくて…結婚するために男性と付き合って経験を深めないといけないのに、満足にできなくて、地方に住んでいる両親から「東京に良い人いないの?もう40よ」とドラマのように、結婚を催促される。それも無理はありません。母親は私が20代前半の頃から、「いつでも結婚していいのよ、早く孫の顔が見たいわ~」と言っていましたから。30歳になって学生の同級生はいっきに結婚していきました。自分の人生のあきらめや劣等感を感じていますし、この先のことを考えたら暗くどんよりした気持ちになるんです。お先真っ暗な要素が重なっていた自分の境遇から逃げたかったのだと思います。
――恋愛経験の乏しさで女風を利用する声もよく聞きます。Fさんにとって理想の30代って?
やっぱり結婚ですね。それだけです。結婚して退職して、子供に恵まれて子育てや家事で忙しく、でも平凡に。
――女風に通い始めて現実逃避ができたというわけですね。
はい。初めてセラピストさんに会ったときは、全身に電流が走った感じでした。私がどんなに恥ずかしがっても、会話ができなくても、笑顔で優しくエスコートしてくれました。もっというと、セラピストさんのテクニックで私は初めて気持ちいいと感じられるようになって。
――初めて?
実は私、セックスが気持ちいいと思ったことが一度もないんです。性交痛がひどくて…多分過度に緊張して濡れないからだと思っているのですが、その痛さが嫌で、正直今もセックスしたいと思えないんです。男性とはもちろん付き合いたいし、結婚もしたい。でもセックスに対する嫌悪感はどうしても拭えなくて。彼氏相手に、濡れなくてセックスできずに終わってしまったら「嫌われた…」って思ってしまうし、実際に嫌われてしまったこともあります。その反面セラピストさんなら、女性が抱えている性の悩みが解決できるように、テクニックを駆使してくれるので、「どうかこの濡れない私を救ってください」と、自然と身を委ねられるというわけです。(笑)
――なるほど…女風で初めて気持ちよさを知ることができたというわけですね。
そうなんです。女風は本番行為ができないのですが、セックスに対する恐怖心がある私にとってはちょうどよかった。もし本番行為がOKだとしたら、女風にためらっていたと思います。気持ちよさを知ったからこそ、今も女風に通い続けているのかな~なんて。通い始めてから、仕事が定時で終わるようになりました。
――女風に通い始めてから仕事が定時で終わるようになった、とはどういうことですか?
無理矢理、終わらせているんです。というか、残業を断っています。基本定時なのですが、上司から残業を頼まれることも。女風は基本事前予約制なので、その日に予約を入れていたら絶対に女風優先です。適当に「今日病院に行くので…」「用事ができてしまって…」と理由をつけて残業を断り、定時後直行しています。
男性は苦手だけどセラピストは大丈夫
――女風を利用する前は、仕事終わりどのように過ごしていたのですか?
デパ地下や本屋さんなどどこかに立ち寄って、夜ご飯を買って帰る。冴えない感じですよ。(笑)たまに合コンには行ってました。といっても20代のときですけど。
――出会いの場には行ってたんですね。
数える程度ですけどね。そのうち呼ばれなくなりました。というか、合コンにいつも誘ってくれていた会社の同僚が皆結婚したので。(笑)
――周囲の人が立ち続けに結婚するとやはり焦りますよね。
もうなんで皆そんな結婚できるの?って。(笑)私は、付き合っても最後までうまくいかないという先入観を持ってしまっているので、基本的に男性も苦手。まあ私がもっとセックスに対してここまで嫌な気持ちがなかったらマシだと思うんですけど…
――セラピストさんも男性ですがFさんにとっては、一般の男性とは違うのですね。
そうですね。女風のセラピストさんは、女性に快感や癒しを与えるサービスでそれを仕事としているので、女性が嫌いなことってしないじゃないですか。セラピストは常に楽しませてくれる。嫌われるかも…って思わなくてもいいので、すごい気が楽なんです。
女風に週3ペースで通い貯金を崩して生活
Fさんの女風生活ぶりは予想を遥かに上回っていました。
――今はどれぐらいの頻度で女風を利用されているのですか?
週3回ぐらいです。
――週3回!?かなりの利用頻度ですね!
そうですね。収入の半分近くを女風にお金使ってます。月20万円ぐらい…正直貯金崩し生活ですよ。お金のことを考えると、頻度を減らしたほうがいいな~と思っているんですけど、もう女風が私の生活の一部になってしまっているので、女風なしの生活は考えられないですね。私にとって、現実から逃げる手段がなくなるわけですから。このままの生活を続けると結婚できないし、お金もなくなるし、両親も悲しむ。女風も適度に利用する分にはいいと思うのですが、私みたいにいろいろなことを犠牲にして、貯金を削ってまで利用するのはちょっとよくないな~とは思ってます。これは、典型的な沼にハマっているパターンですよね。
――よくセラピストに沼る、ともいいますよね。
はい、私も一時期同じセラピストを指名していたこともあったので、沼る気持ちわかります。指名していたセラピストさんは残念ながら退店してしまったので、強制終了、って感じだったのですが、基本お気に入りのセラピストさんが見つかったら、しばらく指名し続けるタイプです。やっぱり恋愛慣れしていないから、依存しやすいのかな~て思います。仕事中も女風のこと考えているので…
セラピストは自分をすべて肯定してくれる
――セラピストに悩みを打ち明けることも?
そうですね。利用当初はそれまで誰にも言えなかった性の悩みをただひたすら話していました。女風って最初カウンセリングがあるんです。どんな風に過ごしたいか、してほしくないことなど、その流れで「私、男性経験が少なくて性交痛がひどいんです」からいつの間にか「正直結婚に焦ってて…」と、もう今思うとセラピストさんに申し訳ないなと思うぐらいに、施術に関係のない悩みもベラベラ話してしまっていました。
――優しく聞き入れてくれるとどんどん話しちゃいますよね。
とにかく優しいので、どんなことも「うんうん、つらいよね」と聞き入れてくれる。なんだかカウンセリングしてもらってる気分でもありましたね。今はもうずっと利用しているので、話尽きた感じがあって前ほど悩み相談する回数は減りましたけどね。
――女風を通じて前よりも男性と話すことに慣れたとか?
う~ん、どうなんでしょう?セラピストさんとは話せるって感じですかね。でもこれだけ完璧な男性とずっと関わっていると、セラピストの男性像がスタンダードになってしまって、一般の男性だとなんだか物足りなくなってしまうのかな、って…女風で働いている男性だって人間なので、仕事以外だと言葉悪いですけど、だらける人も多いと思うんですよ。やっぱり仕事は仕事ですよね。わかってはいるけど、私の人生において関わった男性はセラピストが圧倒的な多さだということから見ると、自然と一般の男性にもセラピストと同じスキルや人間性を求めてしまうのかなって思いはすごくあります。
沼らないほうがおかしい
インタビューの最後、女風生活を送るFさんが思う、ハマりやすい人の特徴についてこう語っていました。
「私思うんです。性や恋愛面での悩みを多くたくさん抱えている人ほど沼るんじゃないかって。女風ってハマる要素だらけだと思うんですよ。セラピストは、イケメンで性のテクニックも抜群、礼儀や気遣いもあって紳士的。非の打ちどころがない。いわば女性にとって理想の男性像がすべて盛り込まれている男性が、お客である私たち女性にたくさん尽くしてくれる。もしも、プライベートでセラピスト以上の男性と付き合っていたなら、私は100%女風を利用しない自信があります。最高の人が目の前にいるので、高いお金も払う必要がない。恋愛や性で満足していないから、セラピストにすがってしまうのかな~って、そんな風に思います。」
女性用風俗が爆増している理由は、それだけ現実社会で受け入れられない女性の悩みが多くなっている証拠なのかもしれませんね。