普段より赤黒いのは何故?生理の出血の色が教える体のサインとは?

女性なら誰もが経験し、一生を通して長期間付き合っていかなければならない生理。生理の状態にはそもそも個人差があるものですが、その時の体調や環境、年齢によっても経血の状態は頻繁に変化します。

生理痛や経血の量も気になりますが、なかなか人に相談しにくいのが生理の出血の色ではないでしょうか。

いつもは鮮やかな赤なのに、時折赤黒い色になって「病気かも??」と不安になることはありませんか?生理の出血の色の変化の原因や病気の可能性、対処法について詳しく見ていきましょう。

正常な生理とは?

女性にとって毎月くるものであるからこそ、ちょっとした変化でも「あれ?」と不安になるものです。まずはきちんと生理について把握しておくことで、何か危険なサインなのかそうでないのか見極めることができます。

ここでは正常な生理について解説していきます。

女性の生理の状態と年齢は深く関係している

女性ホルモンの分泌量やその働きは年齢と共に変化し、それに伴い生理の状態も変わっていきます。

思春期に月経が始まる頃は生理の周期や状態も不安定ですが、一般的に20代〜30代の性成熟期は妊娠・出産に最も適しており、本来生理の状態が一番安定している時期と言われています。

その後、40代半ば頃から更年期にかけて生理不順を繰り返し、やがて閉経を迎えます。

正常な生理の目安

個人差があるのであまり気にしすぎることはありませんが、一般的に正常な生理の目安を知っておくことは自分の身体の状態を知る上でも大切なことでしょう。

正常な生理とは、周期は25〜38日間で変動は6日以内。期間は3〜7日程度。出血量は20〜140mlと言われています。

正常な生理の出血の色

生理の色が鮮やかな赤〜赤褐色、濃い赤の出血の場合、正常で健康なサインと言えます。特に出血が多い時期は鮮やかな赤になることが多く、生理期間中の前半や後半など出血が少なくなってくると濃い赤〜赤褐色になることが多いです。

生理の出血の色が赤黒くなる原因とは?

「生理痛が重い」や「今日は多い日」など、生理の痛みや量については女性同士の会話でも案外気軽に出てくることがありますが、出血の色についてまではなかなか話しづらいこともありますよね。

しかし、医者が患者の健康状態を把握するのに、顔色・爪の色・便の色などが重要であるように、「色」は自分の体調を知る上で重要なバロメーターになるのです。

赤黒い出血があると一瞬驚いてしまうかもしれませんが、ほとんどの場合は心配する必要はありません。その理由について詳しく見ていきましょう。

経血が酸化しているから

赤〜赤褐色が正常な生理の色でしたが、時々黒っぽい血が出てくることはありませんか?赤黒い出血はそれだけで心配になってしまいますよね。しかし大抵の場合、赤黒い血が出るのは生理の始まりや終わりかけのときではありませんか?

その場合、病気という可能性は少ないと考えられます。生理の出血の色が赤黒くなる原因は、怪我をした時に皮膚を覆うカサブタが黒っぽくなるのと同じで、「血液が空気に触れて酸化し黒くなったから」だけなのです。

生理の2〜3日目は出血量が多く、酸化している間もなくどっと流れ出るので鮮やかな赤色ですが、始まりや終わりかけなど出血が少量のときは体外排出に時間がかかり、ゆっくりと流れ出るのでその間に酸化が起こり黒っぽくなるのです。

生理周期のずれ

生理の周期は普段安定している人でも、ストレスや睡眠不足、過労などで1週間程ずれることがあります。

約1ヶ月に1回、排卵に合わせて子宮内膜を厚くし、卵子が受精しなかった場合に子宮内膜が剥がれることで生理が起こりますが、生理までの周期が短いと子宮内膜が厚くなる前に出血が起こるので量も少なく、排出までの時間も長いため赤黒い色になることがあります。

このように、赤黒い出血は生理周期が安定しない人によく見られる症状なのです。

中間期出血

生理と生理の間の時期に卵子が放出される期間である排卵期があります。この排卵期は一時的に体内でエストロゲンというホルモン分泌量が低下することにより少量の出血が見られることがあります。

この場合も少量の出血なので色が赤黒い場合が多いですが数日で止まるようであれば特に心配はないと言えるでしょう。

生理の出血の色が赤黒いのは病気のサイン?注意すべき症状は?

生理の赤黒い出血は心配しなくていい場合がほとんどですが、稀に病気の可能性が潜んでいることがあります。

婦人科系の病気は特に、初期段階では症状があまりないことが多く、症状が出る頃には病状が進行していることもあります。ここに示す注意すべきポイントをしっかりと知っておき、自分の身体の異変を見逃さないようにしましょう。

長期間赤黒い出血が繰り返し続くとき

生理期間や排卵期以外に赤黒い出血があり、またそれがだらだらと10〜14日以上長期間続くようであれば注意が必要です。

子宮筋腫や子宮頸管ポリープ、子宮頸癌や子宮体癌の可能性がある場合もありますので医療機関を受診しましょう。

出血の量が多い場合

出血の赤黒さにプラスして、夜用のパッドでも足りないくらい出血量が多い時、レバーのような血の塊が出てくる場合、貧血を伴うとき、目眩や立ちくらみ、疲れやすい場合などは子宮筋腫の可能性があります。

子宮筋腫は子宮に良性のこぶができる病気で、一つとは限らず複数いろいろな場所にでき、少しずつ大きくなる場合があります。

30歳以上の女性では3〜4人に一人は子宮筋腫があると言われるほど頻度の高い病気です。気になる症状がある場合は治療が必要ですが、定期的な検診で様子見になることも多いです。

腹痛を伴うときは妊娠の可能性も?

閉経前の女性が腹痛を伴う赤黒い不正出血がある場合は妊娠の可能性も考えてみましょう。特に出血の量が生理より軽めの場合は妊娠かもしれません。

この妊娠初期に起こる出血は、受精すると受精卵が子宮内の壁に落ち着くことを着床ということから着床出血とも言われています。妊娠が疑われる場合も自己判断は難しいので産婦人科で診察を受けましょう。

生理の出血の色が気になるときの対処法

生理の状態には大きく個人差があり、その時々の体調によっても変化するものなので、赤黒い出血についてはそれ以外の症状がないのであればあまり神経質になる必要はありません。

とは言え、出血の色は視覚的なインパクトもあり気になってしまいますよね。そんな時にはどうすればいいのでしょうか。普段の生活から改善できることも含め、具体的な対処法について見ていきましょう。

婦人科受診

少しでも心配な事がある場合は婦人科を受診するのが一番です。現在では本やネットなど様々な情報を簡単に得られますが、だからこそ豊富な情報によって一人で悩んでしまい、より心配になることもありますよね。

大切な自分の身体のこと、信頼できるかかりつけの婦人科の先生を普段から見つけておき、気になることは気軽に相談してみましょう。

生理は女性にとって自分の体調を知るためのバロメーターでもあります。しっかりと観察し些細な変化で自分の身体のSOSに気づけるようにしておくことが大切です。

また、何の病気でもそうですが、早期発見・早期治療できるに越したことはありません。生理が安定していても定期的な婦人科検診を受けることは女性にとって必要不可欠と言えるでしょう。

ホルモンバランスを整える

深刻な病気ではなくとも、不正出血や生理の乱れはホルモンバランスの乱れを表しています。あまり気にしすぎる必要はありませんが、普段からホルモンバランスを整えることで自分の体調管理にも繋がります

ストレスや睡眠不足、急激なダイエットや食生活の不摂生、激しすぎるスポーツなど、自分の身体に負担をかけていませんか?

これらの負担はエストロゲンとプロゲステロンという生理を起こす2種類の女性ホルモンの分泌バランスを乱すことになり、不正出血や生理の乱れが起こってしまうのです。

血行をよくする

生理の出血の色が赤黒くなるのは体外排出がスムーズではなく、酸化して黒っぽくなってしまうからでしたが、出血の流れをスムーズにすることで解消できることがあります。

毎日の適度な運動やじっと座ったままでいないこと、下半身を冷やさない、身体を温め血行をよくすることなどが挙げられます。

ほとんどの場合は心配なし!気になるは婦人科へ!

生理の赤黒い出血は、体内での血液の酸化が原因であることがほとんどなので、それ自体にあまり問題はありません。しかし、症状によっては病気の可能性もあるので、心配であれば迷わず婦人科を受診しましょう。

自分の生理の状態は自分しか見ることがなく、一人で悩んで心配になることは実は女性なら誰もが経験していることです。

逆に言えば他人からはわからないことなので、普段から自分でしっかりと観察する癖をつけ、正しい知識と判断で自分の身体の状態と向き合うことが大切です。