パートナーとのSEXの後発熱したり、何かしらの症状が出た場合、「性病に罹ったんじゃないか?」と想像するのが一般的ではないでしょうか?
性感染症には、種類によって発熱するもの・しないものと違いがあり、また症状と同じように、治療法にもそれぞれ違いがあります。不安や恐れから放置してしまうと、大きな健康問題につながるリスクがあるので侮ってはいけません。
この記事では、セックス後の発熱の原因と、発熱を伴う性感染症の種類や症状、対応方法を解説していきます。
セックス後の発熱の原因は性感染症の可能性もある?
セックス後、「なんかだるい」「熱がでた」「赤い発疹ができていつもと違う気がする」と自覚症状が見られた場合、性感染症に罹患している可能性があります。
ただし、性感染症の場合は、潜伏期間が最低でも2日程度はありますので、セックスをしてから2日以降に発熱が起こります。
それより前の”セックス後の数時間で発熱が出た”という方は性感染症よりも精神的、肉体的なダメージなどの他の要因である場合が多いです。そのような方は以下の記事をチェックしてください。
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性感染症は決して珍しい病気ではなく、種類によっては年々罹患者が増加傾向にあり、意外と身近に存在しています。
もちろんセックスが直接原因でなくたまたま風邪を引いていた、疲労が溜まっていたといった要素が0ではありません。しかしながら発熱以外にも思い当たる症状がある場合は要注意!
これといった理由がないのにセックス後に急に発熱し体調がすぐれないという場合は性感染症を疑ってみましょう。
性感染症(STD)とは?
性感染症(STD)とは、性行為によって感染する病気のことをいいます。性行為というのはセックスだけでなく、フェラやクンニといったオーラルセックスやアナルセックス(肛門性交)も含まれており、「挿入しなかったらセーフ」と言うわけではありません。
性行為によって細菌やウイルスが自分の身体に侵入してしまうことで感染が成立し、種類によってはすぐに症状がでるものもあります。
感染は成立しているにもかかわらず、症状がでないままのキャリア(保菌者)になる場合もありますが、時間経過と共に自覚症状が出ることもあります。
症状がでていない時期でも感染自体はしており、性行為により気付かないうちに他者にうつしている場合があります。
これが原因かも!?セックス後の発熱を引き起こす性感染症の種類とは?
性感染症は、種類によりそれぞれ症状が違います。高熱が出たり、倦怠感が強かったり、皮膚症状があったりと様々です。また、症状を自覚するまでの期間にも差があります。
すぐに出るものもあれば、長い間保菌し、進行した状態で感染していたと発見されることもあります。具体的な種類や症状、特徴を把握することで、性感染症に罹っているかもという可能性を視野に入れられるようにしましょう。
ここでは発熱を伴う性感染症について、症状も合わせてご紹介します。
性器ヘルペス
潜伏期間は3~7日で、発熱・倦怠感・性器部分に発赤やただれ、水泡といった症状が出現します。フェラやクンニ等、口淫により口腔内感染した場合にも同様に口腔内や口唇に皮膚症状が出現します。
感染しても80%は無症状の人が多いですが、免疫力の低下時にウイルスが活性化し症状が出る場合もあります。感染力が高く、感染した人が触ったタオル等間接的な接触でも感染してしまいます。
一度感染するとウイルスが体内に残ってしまうので、再発率も非常に高く、体調が悪い時や月経時に症状がくり返し現れることが多く見られる病気です。
淋菌感染症
潜伏期間は2~10日で、発熱や頭痛、倦怠感、排尿時痛などの症状が出現します。子宮の経管部分に感染する子宮頚管炎や、より骨盤内に広がって炎症を起こす骨盤内炎症性疾患、尿道に感染し膀胱炎や腎盂腎炎といった状態を引き起こします。
口腔内感染の場合は、喉の違和感やかゆみ、喉の炎症による発熱が生じ、風邪症状と類似します。男性は症状がわかりやすいですが、女性は気づきにくかったり症状がなかったりすることで発見が遅くなり、進行した状態で見つかることもあります。
ウイルス性肝炎
潜伏期間は2週間~半年と、症状がでるまで長い場合もあります。発熱・全身倦怠感・食欲不振、嘔吐等全身症状を引き起こし、悪化すると肝機能が低下することで黄疸が見られることもあります。
B型は精液や膣の分泌物、血液にウイルスが含有されているため性行為全般で感染します。A型は便にウイルスが含まれており、アナルを舐めたり、アナルに接触した手で自分の口に触ることで感染します。
どれも肝機能に関わる障害を引き起こし、放置すると肝硬変や肝がんに進行することもあります。
エイズ(HIV感染症)
急性期では、2~4週間で高熱や筋肉痛、咽頭痛といったインフルエンザに似た症状が出現する場合と、無症状の場合があります。その後無症状の時期が数年~10年あります。
HIVに感染すると、免疫機能を低下させ日和見感染(健康なときには感染しないような菌やウイルス、カビで感染する状態)しやすくなります。
精液、膣内分泌物、血液、母乳に含まれ、性行為によって感染しますが、唾液内のウイルス含有量は多くなく、せきやくしゃみでは感染しません。
現在根治させる薬は開発されていませんが、ウイルスの増殖を抑制する薬を継続的に服用することで、免疫機能を維持させることができます。
性感染症かもと思った時の対応方法
発熱などの自覚症状があったり、「これって性感染症かも」思い当たる節があれば、行動を起こす必要があります。
この際、正しい方法を取らなければデメリットが生じる可能性が高く、後悔しかねません。焦りや不安で戸惑い、自己判断による行動を起こすのはとても危険です。
そこで、自覚症状が出た時の正しい対応方法を詳しくまとめていきます。
病院に行く
まずは病院に行くことが最善策です。検査で性感染症だと診断された場合、正しい治療を受けることができます。ほとんどの性感染症は早期の治療により治すことが可能です。しかし放置してしまうと、症状は重くなり重篤な状態を招いてしまいます。
また、男女ともに不妊の原因になることもあるためライフプランに影響します。検査は病院だけでなく、各自治体の保健所でも無料で検査を受けられます。
いきなり病院に行きづらい場合は、保健所の検査で陽性と結果が出たあと、医療機関を受診することが可能です。自覚症状に悩んだり、性感染症かもと不安を抱えている場合は必ず検査と治療を受けましょう
自己判断で薬を飲まない
受診せず、自己判断で市販薬を使用するのはたいへん危険です。細菌やウイルスによる感染症には、適切な治療薬が必要です。
発熱したからと解熱剤を服用しても、そのときだけの対処療法でしかなく、根源を叩かない限り完治することはありません。
現在ネットで抗生物質などの医薬品が購入できますが、本当にこの薬で治るのか、副作用等リスクはどんなものがあるのか、個人が適切に判断することは難しいのです。
また、服用後症状が軽減したと感じても、完治ではなく不完全な状態で、気づかぬ内に相手を感染させたり、より悪化した症状につながったりする可能性もあります。自分の体だからと自己判断するのはとても危険な行為です。
セックス後に発熱などの症状がでたら病院に行こう!
セックス後の発熱は性感染症のリスクがあります。セックス後に発熱し、他の症状なども現れている場合は性感染症を疑って病院で治療をしてもらうことが重要です。
恥ずかしさや戸惑いはあるかもしれません。しかし、今後の生活や健康に影響することもあるので適切な治療を受け、完治させることが大切なのです。
また、性感染症だと分かったら、パートナーとも情報共有し2人で治療する必要があります。お互いを大切にするためにも、自覚症状を覚えたら早めに行動に移すことが重要です。