HSPが人から病気だと勘違いされてしまう瞬間はこれ!?対処法も解説

人はいくつかの気質に分類されますが、人一倍繊細な気質を持つ人を、近年ではHSP(The Highly Sensitive Person:ハイリ―・センシティブ・パーソン)と呼ぶようになりました。

敏感過ぎたり、繊細過ぎたりすることはマイナスに捉えられがちで病気と思われることがありますが、HSPは病気ではなく人間のある特性が強く表れているだけなのです。

HSPの特徴は、大きく4つに分けられます。この4つの特徴はどの人間にもあるものですが、HSPにはより強く表れます。各特徴を、病気と勘違いされやすい点や日常生活で困ること、特性によるメリットを通して紹介していきます。

HSPの特徴とは?

HSPの脳は、入ってきた情報をより敏感にキャッチし、より細かく分析しようとします。ここではHSPの人に見られる特徴について解説します。

深く考えすぎる

HSPは常に些細なことを気にしすぎてしまう傾向にあります。物事に対して深く考え、真面目に受け取りすぎてしまうのです。

普段の生活の中で、周りの誰かに言われた一言が非常に引っ掛かり、気にしすぎてしまうのです。そうなると、感じなくても良いはずのストレスや緊張が続き、わずかなことで傷つきやすくなってしまいます。

さらに、常にストレスにさらされてしまう環境だと、HSPはうつ病を発症してしまうこともあるので注意が必要です。

様々な情報に振り回されやすい

HSPは、どんな刺激も受け取ることで周囲よりも苦痛に感じることが多くあります。周囲の人なら受け取らない余計な情報もキャッチしてしまうこの特性に、HSPは困るのです。

情報には、必要なものと不必要なものがあり、私たちはそれらを無意識のうちに選別して生きています。しかし、HSPはどんなに不必要な情報であっても全て受け入れてしまいます。一気に考えることが増え、しかもそれは考える必要のない情報も含まれているので、より疲弊してしまうのです。

感情の揺れが大きい

HSPは、感情の揺れが大きく他人への共感力が非常に高いことで知られています。だからこそ、良いことには感情が高ぶり、悪いことにはとても落ち込むなど、それが自分の関わっていないことであったとしても気持ちが強く反応しすぎてしまうのです。

HSPは、この感情の揺れが大きい点に困ることがあります。何かがある度に感情が波打ち、心が疲弊してしまいます。また、周囲からは「度を過ぎた動揺の仕方」と受け取られてしまい、煩わしがられる可能性もあるのです。

つまり、HSPはその特徴によって周囲から孤立する可能性もあるのです。

自尊心が低い

HSPは五感の感度がかなり強くなっているので、周囲がキャッチできない感覚も感じてしまうのです。そのため、周囲から気にしすぎだと言われることが多くなります。

これにより、自分は周りの人間とは違って「普通ではないんだ」と考えるようになり、自尊心が低くなってしまうことがあるのです。自尊心が低くなると、自分には価値が無いと感じてしまうので自分の全てが嫌になってしまいます。

人は、ありのままの自分を受け入れ、自分の価値を見出すことで困難を乗り越えていきます。しかし、HSPは自分の中にどんどん劣等感が蓄積し自身を大切に扱えなくなることもあるため、その機会が失われやすく、常に人生の壁にぶつかる状態になることがあります。

HSPが病気と勘違いされやすいポイント

HSPは繊細すぎることから、病気だと勘違いされることがあります。ここでは、どのような点が病気と間違えられやすいのかを解説していきます。

円滑なコミュニケーションが取りづらい

HSPは、通常の何倍もの時間をかけて物事を考えてしまうので、例えば人から言われた何気ない一言に過剰に反応し、傷ついた気持ちを長く引きずってしまうこともあります。

このようなHSP特有の反応のしやすさは激しい落ち込みを引き起こす、深く思考しすぎるというという点においてスムーズなコミュニケーションを困難にさせるため、周囲に病気だと判断されることがあるのです。

また、HSPは豊かな情緒があることから、物事により注意深くなります。誰にも嫌がられず、そして自身が傷つかないように内気となり、どんどん周囲との積極的なコミュニケーションが難しくなっていきます

多くの情報を処理することが困難

HSPは、自分にとって複雑な情報が多いと非常に混乱し、一度に多くの情報を処理することに苦痛を感じてしまいます。混乱が起きるのは、少しの刺激も逃さないというHSPの特徴が関係しているからなのです。

この特徴により、HSPは周囲が見逃してしまうほどの小さな刺激もしっかりと受け取り、その刺激を自分の中に蓄積していきます。

脳内に些細な気になることが蓄積されている段階で、大きく強烈な情報やより複雑な情報が入り込むと、当然脳は混乱し物事の整理がつかなくなり、仕事などでミスをすることが増えてしまうんですね。これにより、病気だと思われることがあります。

人との距離感がわからない

HSPは、他人への共感力が非常に高いため相手の気持ちを察知しやすく、相手にどんどんのめり込んでいってしまいます。例えば、相手が何かに困っていたら、その問題が解決されるまで自分が苦しくても最後まで助けようとしてしまうことがあります。

度を過ぎると、自分とは関係ない人間関係のトラブルに巻き込まれたり、または自分が巻き込んでしまったりします。このように、人との距離感を上手く保つことが難しく、病気と勘違いされやすくなるのです。

HSPの特性から得られるメリット!

日常生活で苦痛を伴うことが多いHSPですが、その特性はメリットにもなり得ることがあります。

細かいことによく気が付く

HSPは、周囲の人よりも細かいことによく気が付きます。物事を完璧に捉え深く考えることで、気付く人がほとんどいないような小さな違いでも、はっきりと見つけることができます

また、HSPは一つの事柄から多くの情報を得ることも得意です。あらゆる視点を見つけることができる能力は多くの人が見落としがちな部分に着目することができるため、多彩なアイディアを生み出すことにもつながりビジネスとしても重宝されるでしょう。

このように、見落としがちな物事をきちんと見つける能力は、周囲の人に役に立つことが多いでしょう。

他人に対して優しくできる

HSPは、優れた共感力によって相手の感情を受け取ることができます。これにより、他人に対して優しくできるようになります。

他人の影響で傷ついた経験があるなど、生きることの苦しさをより感じることができるHSPは、相手を傷つけないように柔らかな対応をすることができるのです。

人は誰でも苦しみや悲しみを感じることがあります。それらの感情を誰よりも理解し、誰よりも寄り添えるのがHSPなのです。

傷ついている人への話の聞き方、言葉のかけ方一つ一つを考え、実行することができます。つまり、他人への共感力が高すぎるところがHSPの最大の武器にもなり得るのです。

芸術に強く惹かれる

HSPは、感情の揺れが大きいので心の疲弊にばかり目を向けられがちですが、この感情の揺れの大きさは感情の幅が広いことを表し、より感動や感激を覚えるということにも着目してほしいと思います。

なぜなら、この感動や感激を実感しやすいことは芸術や文化に強く惹かれるというメリットに結び付くからです。

芸術や文化は、HSPならではの豊かな感性で類稀なる才能を開花せることも珍しくありません。またこれらの活動に興味を持ち参加することで分かち合える仲間との出会いが期待でき、良好な人間関係を気付くことを目指すこともできます

特性を理解してHSPと向き合おう!

ここまで、HSPの特徴や病気と勘違いされやすいポイント、HSPのメリットについて紹介してきました。HSPは繊細すぎる性質から、周囲よりも注意深く物事を判断し、疲れてしまうことが多くあります。

しかし、その性質によって苦しさを知っているからこそ、他人に優しくすることができるのです。HSPは病気ではなく人間としての特性です。

もし自分がHSPだと感じた場合には、より自身を思いやり癒すことを心掛け、ゆったりとした気持ちで生活を営んでいけると良いですね。