AVと聞くとどんなイメージを持っているでしょうか?
善良な女の子が騙されて無理やり出演させられていたり、男性のオカズにされている可哀想な女の子のイメージだったりと比較的ネガティブなイメージが多い業界です。
ですが、AVの年間制作数は約24,000本。これだけのタイトルを世に送り出している業界では、多くのプロたちが色んな意味で汗水垂らして仕事をしています。
手軽に性教育を学ぶためにAVを一度は目にしたことがあるなら、疑問に思うのが「本当に挿入しているの?」「あれってホンモノの精子なの?」という謎。いくつもの現場を目の当たりにした元AV出演者が語る撮影の裏側を暴露します。
年間タイトル24,000以上!撮影は思った以上に過酷
AVの年間タイトルが約24,000。単純に月で割ってみると、月約2,000タイトルのAVが世に送り出されている計算になります。AV女優として登録されているのは2,000人未満といわれているので、1人の女優さんが約1~数本程度出演しているイメージです。
もちろん登録されている女性だけではなく、エキストラ的な子やアルバイトでちょっとお仕事をしてみたい感覚の子もいるので、実際の人数は結構います。
1本作品を作る日数のうち、撮影は1日~数日で行われていることが多く、映像をとればあとは編集さんがステキな作品へと仕上げてくれます。
AVではホントに挿入している?
挿入しているかしていないか。事実私が出演していたものに関しては挿入はありました。ですが、基本的に女優自身に選択権があります。
私の時も聞かれましたが、リアリティーを追求した結果、自分で挿入を選択していました。ただし、普通のセックスと違うのは、エロさは皆無と言っても過言ではありません。
現場では大勢の人に囲まれ、カット毎に演技指導や休憩とかを挟みます。ときには男優さんの勃起待ちという事態もあるので、エッチな気分には全くなりません。
仮に露出狂の女の子でも現場のカラっとした雰囲気を見ると興奮はしないでしょう。現場が大きければ大きいほど、他の女の子も撮影現場を見に来るので、不思議な感覚です。
挿入有り無しで違うスキルを求められる演技力
せっかく作品を作るのですから、いい作品が生まれなければ意味がありません。挿入が無いという事は、まわりが驚くような演技力が必要となります。それは、女優だけではなく男優側にも求められます。
艶っぽい声や身体の反応、汗のかきかた、乱れ方など。絶妙なバランスが要求されます。もちろん監督がOKと言わなければ終わりません。
目を細めても見えない本物のプレイに見える下地作り
あのモザイクの先には何が…と現場を見てみないとわかりませんよね。実際は、映像処理がしやすいように肌色のコンドームを着けています。
また、たっぷり濡れているように見えるローションやゼリーを使い女優さんを傷つけないようにするなど。ケガをしないように、かつリアリティー重視で制作されています。
モザイクを見ていると、何も付けていないように見えますが、一般的に流通しているAVはコンドームなしでは挿入しません。
コンドームをしていることにより、HIV予防に繋がります。現在は治る病気になってきてはいますが、業界的には致命的な病気。業界の健全化のためにもホンモノに見える作業は欠かせません。
モザイクは健全な証拠!現場は案外明るい体育会系
日本のAVは基本的にモザイクがかかっています。日本では、映像に中身が映っているものは違法となってしまいます。
映ってしまうとわいせつ物として扱われ、制作に関わる人間が逮捕されます。作品が出来ても、きちんと編集されているか、モザイクの濃さは大丈夫かなど、専門機関でしっかりと審議されてから世に売り出される仕組みです。
意外なほど健全なビジネスとして確立しているAV業界ですが、実際私が体験した現場は明るい現場ばかりでした。全てが女の子の為に動いているので、姫扱いしてくれます。
ですが、ひとたび撮影が始まるとみんな仕事に集中。基本、身体をうごかしてナンボの仕事なので、みんなあっさりと体育会系な雰囲気です。
男性よりも女性の方がモザイクの先が気になる現実
AVを見ていて思うのは、「他人の生殖器は一体どうなっているのか」です。男性女性ともに生殖器にはモザイクがかかっています。
男性の場合は、通常状態ならば銭湯などで他人の生殖器を目にする機会があります。ですが、女性の生殖器は横にならないと見る事が出来ません。どんな状態であれ、女性は他人の生殖器を見る機会がないので比較ができないのです。
なので撮影中に自分の生殖器を見たときはとても新鮮な気持ちになります。他の女優さんでも自分や他人の生殖器を気にしている方がたくさんいました。
演出には欠かせない疑似精子の存在
人間、いつもコンディションは違います。とくに男性の精子は、水鉄砲のように同じものを同じ量だけ出せません。
さらに、濃さや量には個人差があります。なかには早く果てて再起できない人さえいます。そんなときに欠かせないのが疑似精子の存在です。フィニッシュを飾る重要な役割を果たす撮影には欠かせないアイテムです。
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撮影前に確認されるリアル精子と疑似精子
とはいうものの、やはり確認をされます。「〇〇ちゃん、疑似精子使う?」と比較的軽いノリで聞かれます。実際、それを使うのは顔射など比較的量が欲しい映像の場合に良く使われます。
白濁とした液が大量にかかっていると見た目がエロく見えるのがその理由です。
男性ならばわかりますが、フィッシュでコンドームを外してピンポイントで着地地点に発射するのは至難の業。NGと言われると最初からやり直しという途方もない作業が待っています。そんな時に役立つ擬似精子が大いに役に立つのです。
現場によって調合具合が違う
実はアダルトグッズでも疑似精子は売られています。買えばいいだけなので手軽ですが、多くの現場では調合して作っています。私がみたのは男優さんが疑似精子を作っている所。自分から出たら嬉しい理想の疑似精子を作っていました。
材料は、牛乳やカルピスなど白いものになにかしら粘り気がでるものを使るのが一般的の様です。それをスポイトでスタンバイしてその時に備えるのです。
結局求められるのは最高クオリティー・プロフェッショナル
AVはいかがわしいものと考えている人もいますが、映像にして作品として販売をしている。
それによって会社は利益を得ているという立派なビジネスです。よりユーザーに好まれるためにはクオリティーにこだわるのが当たり前です。
時代劇で日本髪のカツラが常識なように、AVにも疑似精子は常識です。色んな試行錯誤をしてユーザーに最高の作品を届けるべく現場は奮闘しています。プロの集まりです。
まとめ
いかがでしたか?AVの撮影現場では、女優はお姫様です。主役である女優と現場監督の一言で状況が変わります。
また、最近では、無修正の違法なものより、健全なモザイクありのものが好まれる傾向です。その理由はズバリ「グロテスク」だから。
モザイクの先はある意味、知らない方が良い場合もあります。モザイクのその先は謎のままがいい。それがAVのモザイクが持っているロマンなのです。